不動産投資で手残りが少ない原因は?手残りの目安や増やす方法を解説

不動産投資で手残りが少ない原因は?手残りの目安や増やす方法を解説

この記事の要点

  1. 不動産投資の手残りは家賃収入からローン返済・運営費・税金などを差し引いた金額で、目的によって必要な額は異なる
  2. 手残りが少なくなる主な原因は、ローン返済負担・空室や家賃下落・管理費や修繕費・税金の見込み不足など
  3. 手残りが少ないだけで失敗とは判断できないが、突発的な支出に対応できない状態には注意が必要

不動産投資を続けていると、購入前のシミュレーションと比べて収支が悪い、管理費や税金を払うと利益を実感しにくいといった悩みは、決して珍しいものではありません。

手残りが少ない原因は、ローンの返済負担や空室、管理費・修繕費など、複数の要因が重なっていることがほとんどです。

原因によって取れる対策も異なるため、まずは自分の物件の収支を分解して確認することが重要です。

本記事では、不動産投資の手残りが少なくなる主な原因を整理したうえで、改善方法や、それでも手残りが少ない場合にどう判断すればよいかを解説します。

不動産投資の手残りとは

不動産投資の手残りとは

不動産投資における「手残り」とは、家賃収入からローンの返済や物件運営にかかる支出などを差し引いて、実際に手元に残る金額を指します。

家賃収入がそのまま手残りになるわけではない点に注意が必要です。

不動産投資の手残りの計算方法

国税庁のホームページでは、不動産所得を以下のように計算すると掲載しています。

総収入金額-必要経費=不動産所得の金額

国税庁「No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」

不動産所得の必要経費として認められる代表的な項目は、固定資産税・損害保険料・減価償却費・修繕費などです。

マンション投資のキャッシュフロー計算|手残りが分かる基本と実例

手残りはいくらあればよい?

「月々○万円あれば十分」という一律の目安を示すことは難しく、物件価格や融資条件、投資目的によって適正な水準は異なります。

一つの参考として、家賃収入の15%〜20%以上の安定したキャッシュフローを目指す考え方が紹介されることが多いです。

ただし、これは絶対的な基準ではなく、あくまで一つの目安です。

金額そのものだけでなく、空室や修繕などの突発的な支出に対応できる余裕があるかもあわせて確認しておくとよいでしょう。

不動産投資で手残りが少なくなる主な原因

不動産投資で手残りが少なくなる主な原因

手残りが少ないと感じる場合、その背景には複数の要因が重なっていることがほとんどです。

ここでは代表的な原因を整理します。

ローンの返済負担が大きい

家賃収入に対してローンの返済額が大きいほど、手元に残る金額は少なくなります。

金利、借入額、返済期間などが返済負担の大きさに影響します。

自己資金をほとんど入れずに借り入れる、いわゆるフルローンに近い形で購入した場合は、その分毎月の返済額が大きくなり、手残りが圧迫されやすい傾向があります。

空室や家賃の下落で収入が減っている

空室期間が長引いている、入居者募集の際に家賃を下げている、周辺相場が変化しているなど、収入面の変化も手残りに直結します。

購入前に想定していた家賃と、実際に得られている家賃に差が生じているケースも少なくありません。

購入時のシミュレーションと現在の実績を比較し、どこにギャップがあるのかを確認することが、原因を特定する第一歩になります。

管理費や修繕費などの支出が大きい

管理委託費、マンションであれば管理費・修繕積立金、入退去時の原状回復費、設備の交換・修繕費、火災保険料など、家賃収入からはさまざまな支出が差し引かれます。

一つひとつは小さな金額に見えても、これらが積み重なることで手残りを圧迫している場合があります。

税金を含めた支出を十分に見込んでいない

固定資産税・都市計画税などの税金は、毎月の家賃収入からは見えにくいものの、手残りに影響する支出です。

購入前のシミュレーションで、こうした税金や不定期に発生する支出まで十分に織り込めていなかったケースもあります。

税額の計算や具体的な取り扱いは個々の状況によって異なるため、詳細は税理士に確認することをおすすめします。

マンション運営の税金と節税対策|目安・経費・リスク・売却まで解説

不動産投資の手残りが少ないときの改善方法

不動産投資の手残りが少ないときの改善方法

手残りが少ない原因が見えてきたら、それに対応する形で改善策を検討します。

物件の収入を改善する

空室が続いている場合は、募集条件の見直しや、周辺相場を踏まえた適正な賃料設定を検討します。

設備や管理状態を見直すことで、入居者から選ばれやすい物件にすることも収入改善につながります。

なお、手残りを増やす目的だけで安易に家賃を値上げすると、退去や空室の長期化を招く可能性があるため、慎重な判断が必要です。

物件の支出を見直す

管理委託費や保険料、修繕方法など、固定的にかかっている支出を見直すことも有効です。

ただし、コスト削減を優先するあまり、入居率や物件の価値を下げてしまうような過度な削減は避けてください。

支出を減らすことと、物件の魅力を維持することのバランスを意識しましょう。

ローンの返済条件を確認する

現在の金利や返済期間などの融資条件を確認し、条件によっては借り換えなどで返済負担を軽減できる可能性があります。

ただし、借り換えには審査や諸費用が伴うため、必ずしも得になるとは限りません。

借り換えを検討する場合は、諸費用まで含めた総返済額で比較することが重要です。

手残りが少ない不動産投資を続けても大丈夫?

手残りが少ない不動産投資を続けても大丈夫?

毎月の手残りだけを見て、投資全体の成否を判断することはできません。

ローンの元金返済が進めば残債は減っていきますし、将来売却する際の金額まで含めて考える必要があります。

また、何を目的に不動産投資を始めたかによっても、評価の基準は変わります。

たとえば副収入を目的にしていたのに手残りがほとんどない場合と、将来の資産形成や相続対策を目的にしている場合とでは、同じ「手残りが少ない」という状態でも受け止め方が異なります。

一方で、手残りが少ない状態を安易に「問題ない」と捉えるのも危険です。

空室、修繕、設備の故障、金利の変動など、不動産投資には突発的な支出が発生する場面があります。

毎月の収支がぎりぎり黒字であっても、こうした支出に対応できるだけの余裕がなければ、一時的に資金繰りが厳しくなる可能性があります。

手残りの金額そのものだけでなく、不測の事態に対応できるかどうかも、あわせて確認しておく必要があります。

改善しても手残りが少ない場合は保有・売却を検討する

改善しても手残りが少ない場合は保有・売却を検討する

収入や支出の見直し、ローン条件の確認などを行っても手残りが十分に改善しない場合は、保有を続けるか、売却を検討するかを判断する段階になります。

保有を続ける場合は、「今のところ黒字だから」という理由だけで判断するのではなく、将来的な収支の変化まで見据えておくことが重要です。

家賃の下落、今後発生しうる修繕、金利の変動、ローン残高の推移などを踏まえ、数年先も無理なく保有を続けられるかを確認しましょう。

あわせて、当初の投資目的と現在の状況が合っているかどうかも、あらためて見直すポイントになります。

一方、収支の改善余地が乏しい、今後さらに支出の増加が見込まれる、当初の投資目的を達成しにくいといった場合には、売却も選択肢の一つです。

「手残りが○円以下になったら売却する」といった一律の基準を設けるのではなく、売却価格の見込み、ローン残債、売却にかかる税金や諸費用などを確認したうえで、総合的に判断しましょう。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

不動産投資の手残りはいくらあればよいですか?

家賃収入の15%〜20%以上が、安心して不動産投資が行える目安とされています。
ただし、物件価格やローン条件、投資目的によって適正な水準は異なるため、一律の金額で判断することはできません。
毎月の副収入を重視する場合と、将来の資産形成や相続対策を目的にしている場合とでは、必要な手残りの考え方も変わってきます。

不動産投資の返済比率が高いと手残りは少なくなりますか?

家賃収入に占めるローン返済額の割合(返済比率)が高くなるほど、一般的に手元に残るキャッシュは少なくなる傾向があります。
ただし、返済比率だけで投資の良し悪しを判断できるわけではなく、物件の収益性や自己資金の割合なども含めて総合的に確認する必要があります。

不動産投資で手残りがほとんどなくても続ける意味はありますか?

手残りの金額だけでなく、ローンの残高の減り方や将来の売却、当初の投資目的なども含めて判断することが重要です。
ただし、空室や修繕などの突発的な支出に対応できないほど余裕がない場合は、収支の見直しを検討したほうがよいでしょう。

不動産投資の手残りが少ない場合は収支全体を見直そう

不動産投資の手残りが少ない場合は収支全体を見直そう

不動産投資の手残りが少ない原因は、ローンの返済負担、空室や家賃の下落、管理費・修繕費、税金の見込み不足など、複数の要因が重なっていることがほとんどです。

まずは自分の物件の収支を分解し、どこに原因があるのかを確認することから始めましょう。

手残りが少ないからといって、それだけで投資が失敗しているとは限りません。

ローン残高の減少や将来の売却まで含めて考える必要がありますし、投資目的によっても評価の基準は変わります。

一方で、突発的な支出に対応できないほど余裕がない状態には注意が必要です。

収入・支出・ローン条件を見直しても改善が難しい場合は、保有を続けるか売却するかを、将来の収支や投資目的と照らし合わせて判断することが大切です。

著者

クラウド管理編集部

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