畳からフローリングにすると空室対策になる?賃貸オーナーが知っておきたいリフォームのポイント

畳からフローリングにすると空室対策になる?賃貸オーナーが知っておきたいリフォームのポイント

この記事の要点

  1. 畳からフローリングへの変更は、洋室を好む入居者へのアピールにつながる可能性がある
  2. 床だけでなく、壁紙や建具、収納なども合わせて見直すと、室内の印象を整えやすくなる
  3. 費用や耐久性、管理規約、原状回復まで考えたうえでリフォームを検討することが大切である

賃貸物件の空室が長引いていると、「和室を洋室に変えたほうがよいのでは?」と考えるオーナーもいるでしょう。

特に築年数が経過した物件では、畳や襖などが古い印象につながり、内見時の印象に影響することがあります。

畳からフローリングへ変更すると、ベッドやソファ、デスクなどを配置しやすくなり、洋室での暮らしをイメージしてもらいやすくなります。

単身者や若い世代など、洋室を希望する入居者を意識した空室対策として検討できるでしょう。

ただし、フローリングに変更すれば必ず空室が埋まるわけではありません。

家賃や立地、間取り、設備なども入居者が物件を選ぶ重要な要素です。

本記事では、畳からフローリングへ変更するメリットや施工方法、費用を考える際のポイント、注意したい原状回復について解説します。

畳をフローリングにするメリット

畳の部屋の画像

畳からフローリングに変更することで、部屋の印象や使い勝手を変えられる可能性があります。

洋室を希望する入居者にアピールしやすい

和室には落ち着いた雰囲気がある一方、家具やインテリアとの合わせやすさを重視する入居者から敬遠される場合があります。

フローリングにすれば、ベッドやソファなどを置いた生活をイメージしやすくなります。

特に1Kや1DKなどでは、洋室化によって現代的な印象をつくりやすいでしょう。

掃除やメンテナンスがしやすい

畳は表面が傷んだ場合、裏返しや表替えなどのメンテナンスが必要です。

フローリングは掃除機やモップなどで清掃しやすく、家具を置いた状態でも手入れしやすい点がメリットです。

ただし、フローリングも傷やへこみが発生するため、メンテナンスが不要になるわけではありません。

部屋をリニューアルした印象にできる

床は室内でも面積が大きいため、床材を変えるだけでも印象が変わる可能性があります。

壁紙や照明、建具なども合わせて見直せば、築年数が経過した物件でも統一感を出しやすくなります。

フローリングへの施工方法と注意点

注意点を説明する画像

畳を撤去してフローリングにする場合、単純に畳を外して床材を置けばよいとは限りません。

畳は一般的な床材より厚みがあるため、撤去後に床の高さを調整する必要があります。

代表的な床材には次のようなものがあります。

床材特徴注意点
フローリング木質感があり洋室らしい下地や床の高さを確認
フロアタイルデザインが豊富傷や水分への耐性を確認
クッションフロア比較的施工しやすい家具跡や傷に注意

実際の施工方法は、既存の床下地や建物の構造によって異なります。

築年数が古い物件では、畳を撤去した際に下地の劣化が見つかる可能性もあるため、現地調査をしてから工事内容を決めることが重要です。

マンションの場合は、床材の変更によって遮音性能に影響する可能性があります。

管理規約や使用細則で床材の遮音性能などが指定されていないか、工事前に確認しましょう。

空室対策なら床だけを変えない

空室対策の画像

畳をフローリングに変更しても、襖や壁紙、建具などが古いままだと、部屋全体の印象がちぐはぐになることがあります。

リフォーム前には、次のような部分も確認しましょう。

  • 壁紙の汚れや黄ばみ
  • 襖・障子の劣化
  • 照明器具の古さ
  • コンセントやスイッチの状態
  • 押入れの使いやすさ
  • エアコンなど主要設備
  • 室内ドアや建具の傷

すべてを一度にリフォームする必要はありません。

例えば床をフローリング調に変更し、壁紙を明るい色に張り替えるだけでも、室内の印象を整えやすくなります。

また、工事前には周辺物件も確認しましょう。

同じエリア・同程度の広さの物件で、和室と洋室のどちらが多いのか、家賃や設備にどのような違いがあるのかを比較すると、リフォームの方向性を決めやすくなります。

費用は施工内容まで比較する

比較を行う画像

畳からフローリングへの変更では、畳の撤去・処分、下地調整、床材の施工など複数の工程が発生する可能性があります。

特に注意したいのが床下地です。

畳を撤去してから補修が必要になると、追加工事が発生する可能性があります。

施工前には2〜3社程度から見積もりを取り、次の項目を比較するとよいでしょう。

  1. 畳の撤去・処分費
  2. 下地調整費
  3. 床材・施工費
  4. 巾木などの付帯工事費
  5. 廃材処分費
  6. 追加工事が発生した場合の費用

単純な金額だけでなく、「どこまで工事内容に含まれているか」を確認することがポイントです。

原状回復のルールも確認しておく

原状回復の画像

床材を変更したからといって、退去時にその費用を入居者へ負担させられるとは限りません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、賃借人の故意・過失などによる損耗が原状回復の対象となる一方、通常の使用による損耗や経年変化は基本的に貸主側の負担とされています。

同ガイドラインでは、カーペットやクッションフロアについて、6年で残存価値が1円となるような負担割合を算定する考え方が示されています。

一方、フローリングは部分補修では経過年数を考慮せず、全体を張り替える場合には建物の耐用年数を考慮する扱いです。

ただし、実際の負担は契約内容や損傷の原因などによって異なる可能性があります。

入居前後の室内状態を写真で記録しておくと、退去時のトラブル防止にも役立ちます。

リフォーム前に確認したい5つのポイント

ポイントを説明する画像

畳からフローリングへの変更を検討するときは、次の5点を確認しましょう。

① 周辺物件と比較する

近隣の競合物件に和室が多いのか、洋室が主流なのかを確認します。

家賃や設備も含めて比較しましょう。

② 入居者層を考える

単身者向け、カップル向け、ファミリー向けなど、ターゲットによって求められる内装は変わります。

③ 耐久性を確認する

賃貸物件では入居者の入れ替わりがあるため、デザインだけでなく傷や汚れへの強さも重要です。

④ 管理規約を確認する

マンションでは床材変更に申請などが必要になる場合があります。

管理規約や使用細則を確認しましょう。

⑤ 家賃とのバランスを考える

リフォーム費用をかけても、周辺相場とかけ離れた家賃では空室対策につながりにくい可能性があります。

工事費と賃料設定のバランスを検討しましょう。

よくある質問

Q&Aの画像

畳からフローリングにすると空室対策になりますか?

洋室を希望する入居者へのアピールにつながる可能性があります。

特にベッドやソファなどを使う生活をイメージしやすくなる点がメリットです。

ただし、空室の原因は家賃や立地、設備など複数あるため、床の変更だけで入居が決まるとは限りません。周辺の競合物件と比較して判断することが大切です。

畳をフローリングにするときは床材だけ選べばよいですか?

畳を撤去した後は、床の高さや下地の状態を確認する必要があります。

築年数が古い物件では、下地の補修が必要になる可能性もあります。

マンションでは遮音性能について管理規約で条件が定められている場合もあります。施工前に現地調査と管理規約の確認を行いましょう。

フローリングの傷は退去時に入居者へ請求できますか?

すべての傷を入居者へ請求できるわけではありません。

国土交通省のガイドラインでは、通常使用による損耗や経年変化は原則として貸主側の負担とされ、故意・過失などによる損傷は借主負担となる場合があります。

実際の負担は契約内容や損傷の原因、程度によって異なる可能性があるため、個別のケースでは専門家への確認も検討しましょう。

よくある質問

畳からフローリングへの工事では、どのような費用がかかりますか?

畳の撤去・処分費、下地調整費、床材・施工費、巾木などの付帯工事費、廃材処分費が発生します。畳を撤去後に下地の補修が必要になると追加工事費がかかる可能性があるため、2〜3社から見積もりを取り、どこまで工事内容に含まれているかを確認することがポイントです。

フローリングの原状回復は何年で償却されますか?

国土交通省のガイドラインでは、カーペットやクッションフロアは6年で残存価値が1円となる考え方が示されています。フローリングは部分補修では経過年数を考慮せず、全体張り替えでは建物の耐用年数を考慮する扱いです。ただし実際の負担は契約内容や損傷の原因により異なる可能性があります。

畳からフローリングに変更する際、壁紙や建具も一緒に変えたほうがよいですか?

床だけを新しくすると、襖や壁紙、建具が古いままでは部屋全体の印象がちぐはぐになる可能性があります。すべてを一度にリフォームする必要はありませんが、床をフローリング調に変更し壁紙を明るい色に張り替えるだけでも室内の印象を整えやすくなります。

まとめ

フローリングの部屋の画像

畳からフローリングへの変更は、和室を現代的な洋室へ変え、洋室を希望する入居者にアピールしやすくするリフォームの一つです。

ただし、床だけを新しくすれば空室が解消するとは限りません。

周辺物件の家賃や設備、入居者層などを確認し、壁紙や建具、収納なども含めて必要なリフォームを考えることが重要です。

マンションでは管理規約、退去時には原状回復のルールも確認しましょう。

複数の施工会社から見積もりを取り、費用とリフォーム後の賃料・入居需要のバランスを見ながら判断することが大切です。

著者

クラウド管理編集部

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