マンション投資のサブリース解約とは|違約金と正当事由を解説

マンション投資のサブリース解約とは|違約金と正当事由を解説

この記事の要点

  1. サブリース契約は借地借家法でサブリース会社が保護され、オーナーからの解約には正当事由が必要になる
  2. 解約の違約金は家賃6か月分が目安で、家賃10万円15戸なら約900万円に達する場合がある
  3. 売却目的なら解約後に売ると高くなりやすく、査定差は240万〜480万円になる例もある

「毎月の家賃保証が、また減額された…」

「そもそもオーナーから解約なんてできるの?」

マンション投資でサブリース契約を結んだ方から、こうした声が聞かれます。

サブリースは空室でも家賃が入る安心感があります。数年ごとの減額や解約の難しさが、トラブルの火種になりがちです。

契約書に解約条項があっても、借地借家法や正当事由が壁となり、思うように話が進まない方も少なくありません。

それでも、正しい手順と条件さえ押さえれば、サブリースの解約は十分に狙えます。違約金の相場と正当事由を理解し、売却との順番まで見通せば、余計な損失は避けられます。

本記事では、マンション投資のサブリース解約が難しい理由から、違約金・立退料の相場、解約の流れまでを判例や実例を交えて整理しました。解約と売却のどちらを先にすべきかの判断基準も取り上げます。

読み終えるころには、ご自身の物件に合った解約と売却の進め方が見えてくるでしょう。

マンション投資のサブリース解約とは?仕組みと解約の可否

建物の背景に立ち札で「サブリース」と書いてある写真

サブリース解約とは、サブリース会社との一括借り上げ契約を終了させる手続きです。

マンション投資では、家賃保証と引き換えにオーナーの自由度が下がります。まずは仕組みと、オーナー側から解約できるのかを整理します。

サブリース契約の仕組み

サブリースとは、サブリース会社が物件を一括で借り上げ、入居者へ転貸する契約です。

オーナーは空室でも家賃の8〜9割程度を保証され、管理の手間も省けます。

家賃保証は数年ごとに見直され、減額されるケースも少なくありません。

入居者を選べない点や、手数料で手取りが減る点も、投資家が解約を考える背景になります。

オーナーから解約するのが難しい理由

オーナー側からの中途解約は、簡単ではありません。

サブリース契約には借地借家法が適用され、借主であるサブリース会社が手厚く保護されるためです。

借地借家法28条では、貸主からの解約に「正当事由」を求めています。

そのため「保証賃料が低い」「自分で管理したい」だけでは、解約が認められにくいのが実情です。

正当事由が必要?マンション投資のサブリース解約の条件

スーツを着た男性が胸元に「解約」と書いてある看板を持っている写真

正当事由とは、貸主の解約を正当化する合理的な理由です。

マンション投資のサブリース解約では、この有無が結果を左右します。認められる例と、認められにくい例を確認します。

正当事由とは

正当事由とは、借地借家法28条が定める、貸主側の解約を認めるための合理的な理由です。

建物を使用する必要性や、契約のこれまでの経緯、立退料の提示などを総合的に判断します。

単に「やめたい」という意向だけでは足りません。

オーナー自身が住む必要性や、建替えの必要性など、具体的な事情が求められます。

正当事由が認められる具体例

平成27年8月5日の東京地裁判決では、老朽化した自宅の改築資金を得るため、空き家で売却する目的の解約が認められました。

再開発でやむを得ず売却が必要になった場合も、正当事由として扱われやすい事情です。

いずれのケースでも、立退料の支払いを求められる場合が多くなります。

参照:賃貸経営HOME4U「サブリースの解約が可能になる『正当事由』事例集」

認められにくいケース

反対に、正当事由として退けられやすい事情もあります。代表的な例は次のとおりです。

  • 契約期間満了を理由にした一方的な更新拒絶
  • 「保証賃料が低い」「自分で管理したい」という収益改善目的だけの解約
  • 借地借家法の適用外という主張

これらは借主保護の観点から、正当事由として認められにくい傾向があります。

早い段階で、サブリースに詳しい不動産会社や専門家へ相談するのが安全です。

マンション投資のサブリース解約にかかる違約金と立退料の相場

携帯、電卓、ボールペン、虫眼鏡、メモ紙と現金で相場を表している写真

サブリース解約では、違約金や立退料の負担が生じる場合があります。

相場の目安と、見落としやすい注意点を押さえます。

違約金の相場は家賃の6か月分

違約金の相場は、家賃の6か月分が一つの目安です。

法律で決まった金額ではなく、契約内容によって変わります。

たとえば家賃10万円で15戸の物件なら、6か月分で900万円になる計算です。

複数のサブリース会社が転貸に関わる場合、違約金が二重に発生することもあります。

参照:イー・トラスト「サブリースの物件は売却できない?解約が難しい理由や違約金の相場」

「買取なら違約金不要」に注意

「弊社で買い取れば違約金はかかりません」という勧誘には注意が必要です。

買取価格が相場より低く設定され、結果的に違約金以上に損をする場合があります。

違約金の有無だけでなく、売却価格そのものを複数社で比較しましょう。

立退料や原状回復費など、他の費用も含めて総額で判断するのが大切です。

マンション投資のサブリース解約から売却までの流れ

ノートにチェックマークが書いてあり、メガネと電卓、ボールペンが一緒に置いてある写真

マンション投資のサブリース解約は、手順を踏めば進められます。

解約の流れと、売却との順番の考え方を解説します。

解約手続きの4ステップ

解約は、次の4つのステップで進めます。

  1. 契約書の解約条項・予告期間を確認する
  2. サブリース会社へ書面で解約を通知する
  3. 正当事由や条件を提示して交渉する
  4. 合意後、新しい管理会社や入居者対応を整える

解約予告は、契約書で3〜6か月前とされるのが一般的です。

口頭ではなく書面で通知を残すと、後のトラブルを防ぎやすくなります。

解約してから売るか、付けたまま売るか

売却が目的なら、解約の順番で結果が変わります。次の2つの方法を比べてみましょう。

観点解約してから売る付けたまま売る(オーナーチェンジ)
買主層投資家+実需で広い投資家に限定される
売却価格高くなりやすい低くなりやすい
手間・期間交渉で長引きやすい手続き不要で早い

家賃が相場より低いと、収益還元法で査定額が下がりやすい傾向です。

月8万円が相場の物件で保証が6万円なら、査定に240万〜480万円の差が出る例もあります。

急がないなら解約後の売却、早さ重視なら付けたままと、目的で選ぶのが賢明です。

参照:全国任意売却協会「サブリース付き投資用マンションを売却する方法」

よくある質問

サブリース契約は途中でも解約できますか?

途中解約は可能ですが、簡単ではありません。サブリース契約には借地借家法が適用され、オーナー側からの解約には正当事由が求められます。「保証賃料が低い」などの理由だけでは、認められにくいのが実情です。まずは契約書の中途解約条項を確認し、サブリース会社との合意を目指すのが現実的です。

サブリース解約の違約金はいくらかかりますか?

相場は家賃の6か月分が目安です。法律で定められた金額ではなく、契約内容によって変わります。たとえば家賃10万円で15戸なら、6か月分で900万円になる計算です。複数の会社が転貸に関わる場合は、違約金が二重に発生することもあります。

サブリースを解約しないとマンションは売却できませんか?

解約しなくても売却は可能です。サブリース契約を引き継ぐ「オーナーチェンジ」として売る方法があります。買主が投資家に限られ、査定額が下がりやすい点には注意が必要です。急がないなら、解約後に売るほうが買主層が広がり、高く売れる傾向があります。

解約後は自分で管理しなければいけませんか?

自主管理だけが選択肢ではありません。解約後は、新しい賃貸管理会社へ委託する方法が一般的です。管理委託なら、入居者募集や家賃回収を任せつつ、手取りを増やせる可能性があります。自主管理と委託の手間・費用を比べて選ぶとよいでしょう。

まとめ|マンション投資のサブリース解約は順序が肝心

ノートの上に植物とボールペンが置いてあり、「まとめ」とクリアブロックで表示している写真

サブリースの解約は、借地借家法で借主が守られるため、正当事由と手順の理解が欠かせません。違約金は家賃6か月分が目安で、売却が目的なら解約の順番で数百万円の差が生じます。

まずは手元の契約書で、解約条項と予告期間を確認してみましょう。そのうえで、サブリースに詳しい不動産会社へ査定と解約の可否を相談すると、判断がぶれません。

順序を押さえて動けば、余計な違約金を避けつつ、より有利な条件で出口を迎えられます。

著者

クラウド管理編集部

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