この記事の要点
- マンション投資の変動金利は当初の返済負担を抑えやすい一方、金利上昇によって毎月の返済額や収支が悪化する可能性がある
- 金利上昇による影響は借入残高や返済期間によって異なるため、複数の金利水準で返済額とキャッシュフローを試算することが重要
- 変動金利を選ぶ際は、金利の見直し条件や予備資金、空室リスクを確認し、返済を継続できるか慎重に判断する
「マンション投資では変動金利と固定金利のどちらがよい?」「今後、金利が上がったら返済額はいくら増える?」と悩んでいませんか。
変動金利は当初の返済負担を抑えやすい一方、金利上昇によって収支が悪化するリスクがあります。
この記事では、マンション投資における変動金利の仕組みやメリット・デメリット、返済額のシミュレーション、金利上昇への対策を解説します。
マンション投資の変動金利とは?

マンション投資の変動金利とは、金融機関が定める基準金利などの変化に応じて、借入期間中に適用金利が見直される仕組みです。
金利の見直し時期や返済額への反映方法は、金融機関やローン商品によって異なります。
変動金利は定期的に適用金利が見直される
変動金利は、短期プライムレートなどを基準として、定期的に適用金利が見直される仕組みです。
一般的には半年ごとに金利を見直す商品がありますが、投資用ローンでは異なる条件が設定されている場合もあります。
また、適用金利が変更されても、毎月の返済額が同じタイミングで変わるとは限りません。
借入前に金利と返済額の見直し条件を確認しましょう。
固定金利との違い
変動金利と固定金利では、金利の変動リスクや返済計画の立てやすさが異なります。
| 比較項目 | 変動金利 | 全期間固定金利 |
|---|---|---|
| 金利の変動 | 借入期間中に変動する | 完済まで変わらない |
| 当初の金利 | 比較的低い傾向 | 比較的高い傾向 |
| 返済計画 | 将来の返済額が変わる可能性がある | 返済額を見通しやすい |
| 金利上昇時 | 利息負担が増える | 契約金利は変わらない |
なお、一定期間のみ金利を固定する固定期間選択型もあります。
マンション投資で変動金利を選ぶメリット・デメリット

変動金利には当初の返済負担を抑えやすいメリットがありますが、金利上昇による収支悪化には注意が必要です。
メリット|当初の返済負担を抑えやすい
変動金利は、一般的に同条件の全期間固定金利よりも当初の金利が低い傾向にあります。
毎月の返済額を抑えられれば、家賃収入から管理費や修繕積立金などを差し引いた後の手残りを確保しやすくなります。
また、将来金利が低下した場合は、適用金利が引き下げられる可能性もあります。
ただし、借入時の低金利が完済まで続く保証はありません。
デメリット|金利上昇で収支が悪化する可能性がある
変動金利の主なデメリットは、金利上昇によって利息負担が増えることです。
毎月の返済額が増加すれば、家賃収入が変わらなくても手残りは減少します。
特に、空室による収入減少や突発的な修繕費の発生と重なると、自己資金からの持ち出しが必要になる可能性があります。
そのため、当初の返済額だけでなく、金利上昇後の収支も確認することが重要です。
マンション投資の変動金利が上がると返済額はいくら増える?

変動金利を選ぶ際は、金利が上昇した場合に返済額がどの程度増えるのか把握しておきましょう。
金利が0.5%・1%上昇した場合の返済額を比較
借入金額2,500万円、返済期間35年、元利均等返済を想定し、金利別の返済額を比較します。
| 金利 | 毎月の返済額 | 年間返済額 | 年2.0%との差額(月額) |
|---|---|---|---|
| 年2.0% | 約82,816円 | 約99.4万円 | ― |
| 年2.5% | 約89,374円 | 約107.2万円 | 約6,558円 |
| 年3.0% | 約96,213円 | 約115.5万円 | 約13,397円 |
年2.0%と年3.0%では、毎月の返済額に約1.3万円、年間では約16.1万円の差が生じます。
ただし、実際に返済途中で金利が上昇した場合は、その時点の借入残高や残存期間、契約上の返済額見直しルールによって金額が異なります。
返済額の増加がキャッシュフローに与える影響
マンション投資では、家賃収入から管理費・修繕積立金・管理委託費・ローン返済額などを差し引いた金額が手残りとなります。
例えば、毎月の家賃収入が11万円、ローン返済以外の経費が2万円の場合、先ほどの試算では以下のようになります。
| 金利 | 毎月の手残り |
|---|---|
| 年2.0% | 約7,184円 |
| 年2.5% | 約626円 |
| 年3.0% | 約−6,213円 |
このように、家賃収入が変わらなくても金利上昇だけで月間収支が赤字になる可能性があります。
マンション投資のキャッシュフロー計算|手残りが分かる基本と実例
マンション投資の変動金利は今後どうなる?

変動金利は、日本銀行の政策金利や金融機関の資金調達環境などの影響を受けます。
ただし、将来の金利動向を正確に予測することは難しいため、金利が上昇する場合も想定しておく必要があります。
政策金利の変化が変動金利に影響する
日本銀行が政策金利を変更すると、金融機関の資金調達コストや貸出金利に影響が及ぶ可能性があります。
投資用ローンの変動金利も、金融機関が採用する基準金利などを通じて見直される場合があります。
ただし、すべての金融機関で同じ時期に、同じ幅だけ金利が変動するわけではありません。
今後の金利動向を確認するとともに、複数の金利水準で返済計画を立てることが大切です。
5年ルール・125%ルールは投資用ローンにも適用される?
5年ルールとは、金利が変動しても毎月の返済額を原則5年間据え置く仕組みです。
125%ルールは、返済額の見直し時に、新しい返済額の上限を従来の125%とする仕組みを指します。
ただし、これらのルールはすべての変動金利型ローンに適用されるわけではありません。
投資用ローンでは採用されていない場合もあります。
また、適用される場合でも利息負担の増加がなくなるわけではなく、元金返済が進みにくくなったり、未払利息が発生したりする可能性があります。
契約前に、借入先の返済条件を確認しましょう。
マンション投資で変動金利を選んでもよい?判断するポイント

変動金利が適しているかどうかは、毎月の収支や手元資金、物件の保有方針によって異なります。
金利上昇後も返済を続けられるか
変動金利を選ぶ際は、現在の金利だけでなく、0.5%や1%以上の上昇を想定した返済額を確認しましょう。
ローン返済額に加え、管理費・修繕積立金・固定資産税なども考慮する必要があります。
また、入居者の退去による空室期間や突発的な修繕費が発生しても、返済を継続できるか確認することが重要です。
手元資金と物件の保有期間を確認する
金利上昇や空室に備えるためには、一定の予備資金を確保しておく必要があります。
長期保有を予定している場合は、金利変動の影響を受ける期間も長くなります。
一方、短期保有でも売却価格がローン残債を下回れば、売却時に追加資金が必要になる可能性があります。
自己資金や収支、保有期間を総合的に判断しましょう。
マンション投資の変動金利上昇に備える方法

変動金利のリスクを抑えるためには、資金面の備えに加え、ローン条件の見直しも検討することが重要です。
返済負担の増加に備えて資金を確保する
毎月の家賃収入から一定額を積み立て、金利上昇や空室、修繕費に備えましょう。
余裕資金がある場合は、繰上返済によって借入残高を減らす方法もあります。
ただし、繰上返済には手数料が発生する場合があり、手元資金を減らしすぎると突発的な支出に対応しにくくなります。
返済負担の軽減と資金確保のバランスを考えることが大切です。
固定金利への変更や借り換えを検討する
金利上昇による返済負担が心配な場合は、固定金利への変更やローンの借り換えも選択肢になります。
ただし、変更の可否は契約条件によって異なり、借り換えには手数料などの費用が発生します。
現在の金利と借り換え後の金利だけでなく、諸費用や残存返済期間、総返済額を比較しましょう。
マンション投資のローン借り換え|得する3条件と失敗しない注意点
マンション投資の変動金利に関するよくある質問

マンション投資では変動金利と固定金利のどちらがおすすめ?
変動金利は当初の返済負担を抑えやすく、固定金利は返済計画を立てやすい特徴があります。
金利上昇時の返済能力や資金計画を踏まえて選びましょう。
変動金利が上がったら家賃も値上げできる?
賃料の増額には、借地借家法第32条に定められた要件などが関係します。
金利上昇分を必ず家賃に転嫁できる前提で、収支計画を立てないようにしましょう。
変動金利から固定金利に変更できる?
同じ金融機関で金利タイプを変更できる場合もあれば、借り換えが必要になる場合もあります。
変更条件や手数料を確認したうえで判断しましょう。
マンション投資の変動金利は金利上昇後の収支を確認して判断しよう

マンション投資の変動金利は、当初の返済負担を抑えやすい一方、金利上昇によって収支が悪化するリスクがあります。
変動金利を選ぶ際は、金利上昇後の返済額をシミュレーションし、空室や修繕費も考慮した資金計画を立てることが重要です。
自己資金や物件の保有期間、リスク許容度を踏まえ、無理なく返済を継続できる金利タイプを選びましょう。


