マンションの家賃収入の平均はいくら?1室・一棟の目安と手取りの計算方法

マンションの家賃収入の平均はいくら?1室・一棟の目安と手取りの計算方法

この記事の要点

  1. マンションの家賃収入に一律の平均額はなく、1室か一棟か、戸数や物件条件で大きく変わる
  2. 家賃収入は満室時の売上であり、空室・経費・ローン返済後の手取りとは異なる
  3. 平均額だけで判断せず、自分の物件条件で年間収入と手取りを試算することが重要

「マンションの家賃収入の平均はいくら?」「家賃収入だけで生活できる?」と気になる人は多いでしょう。

ただし、マンションの家賃収入は、区分マンション1室を所有する場合と、一棟マンションを経営する場合で大きく異なります。

間取り・築年数・立地・戸数・入居率によっても収入は変わるため、全国一律の平均額を確認しても、自分の投資判断にそのまま使えるとは限りません。

本記事では、マンションの家賃収入における「平均」の考え方を整理し、1室・一棟の収入計算、手取りとの違い、収入を左右する要因を解説します。

マンションの家賃収入に「平均額」はある?

マンションの家賃収入に「平均額」はある?

マンションの家賃収入を調べるときは、まず何の平均を知りたいのかを明確にする必要があります。

平均額が一つに決まらない理由

マンションの家賃収入に一律の平均額がないのは、物件ごとの条件が大きく異なるためです。

たとえば、同じマンション投資でも、次のような違いがあります。

  • 区分マンション1室か、一棟マンションか
  • ワンルームか、ファミリー向けの間取りか
  • 新築か、築年数が経過しているか
  • 駅から近いか、郊外にあるか
  • 1戸のみ所有するか、複数戸を所有するか
  • 満室か、空室が発生しているか

そのため、「マンションの家賃収入の平均」を確認するときは、単純な金額ではなく、条件が近い物件と比較することが大切です。

「平均」を調べるときに分けるべき3つの指標

家賃収入は、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

指標意味確認する目的
1室あたりの家賃1戸から得られる月額収入物件の募集条件を比較する
一棟の総家賃収入全戸の家賃を合計した収入満室時の売上を把握する
手取り・キャッシュフロー経費やローン返済後に残る金額投資の継続可能性を判断する

検索結果には「家賃収入の平均」「マンションオーナーの年収」「家賃収入の手取り」など、異なる意味の情報が混在しています。

家賃収入の平均を探すときは、1室の家賃を知りたいのか、一棟の年間収入を知りたいのか、ローン返済後の手取りを知りたいのかを区別しましょう。

1室・一棟で家賃収入はどのように変わる?

1室・一棟で家賃収入はどのように変わる?

区分マンション1室と一棟マンションでは、収入の計算方法や空室リスクの考え方が異なります。

区分マンション1室の家賃収入

区分マンション1室の場合、基本的にはその部屋の家賃が主な収入になります。

たとえば、月額家賃が8万円の部屋であれば、満室状態が1年間続いた場合の家賃収入は次のとおりです。

8万円×12か月=96万円

ただし、年間96万円がそのまま手元に残るわけではありません。

管理費や修繕積立金、賃貸管理委託費、固定資産税、ローン返済などを差し引く必要があります。

また、1室しか所有していない場合、その部屋が空室になると家賃収入は一時的にゼロになります。

空室期間中もローン返済や管理費が発生するため、生活費や預貯金から補填しなければならない可能性があります。

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一棟マンションの家賃収入

一棟マンションでは、複数の住戸から得られる家賃を合計します。

たとえば、1室あたり月8万円の住戸が10戸ある場合、満室時の家賃収入は次のようになります。

8万円×10戸=月80万円

年間では、次の計算になります。

80万円×12か月=960万円

ただし、一棟マンションも常に満室とは限りません。

1戸が空室になれば、その部屋の家賃分だけ収入が減ります。

複数戸を所有しているため、1室の空室で収入全体がゼロになるわけではありませんが、空室が増えれば収支への影響も大きくなります。

区分マンション投資と一棟投資の違いとは?初期費用・収益性・リスク

マンションの家賃収入を計算する方法

マンションの家賃収入を計算する方法

平均額を調べるだけでなく、自分が検討している物件の家賃収入を計算してみましょう。

満室時の家賃収入を計算する

満室時の年間家賃収入は、次の式で計算できます。

月額家賃×戸数×12か月

たとえば、月額家賃8万円の住戸が10戸ある場合は、次のとおりです。

8万円×10戸×12か月=960万円

この960万円は、すべての住戸が1年間埋まっていると仮定した満室想定収入です。

販売資料に記載されている「満室想定年収」も、基本的にはこの考え方で算出されています。

ただし、実際には空室、滞納、家賃下落、募集期間などがあるため、満室想定だけで購入を判断してはいけません。

空室を反映した家賃収入を計算する

空室が発生した場合は、満室想定収入から空室期間中の家賃を差し引きます。

たとえば、10戸のうち1戸が年間3か月空室になった場合、空室損失は次のとおりです。

8万円×3か月=24万円

満室想定収入が960万円であれば、空室損失を差し引いた年間家賃収入は次のようになります。

960万円−24万円=936万円

この計算では、空室期間中の家賃だけを差し引いています。

実際には、退去後の原状回復費・広告料・仲介手数料・設備交換費などが発生する場合があります。

経費とローン返済後の手取りを計算する

実際の手取りを確認するには、家賃収入から次の費用を差し引きます。

  • 管理費・修繕積立金
  • 賃貸管理委託費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料・地震保険料
  • 共用部や室内の修繕費
  • 設備交換費
  • 空室や滞納による収入減少
  • ローン返済額
  • 所得税・住民税など

たとえば、年間の家賃収入が936万円あっても、経費とローン返済の合計が年間700万円であれば、税引き前に残る金額は236万円です。

家賃収入の金額だけを見て、「年間でこれだけ稼げる」と判断するのは危険です。

毎月の手残りと、年間で使える資金を分けて確認しましょう。

マンション投資のキャッシュフロー計算|手残りが分かる基本と実例

家賃収入の平均を確認するときに見るべき資料

家賃収入の平均を確認するときに見るべき資料

平均額を参考にする場合は、自分の物件と条件が近い情報を集める必要があります。

周辺の募集情報を比較する

ポータルサイトなどで周辺の募集情報を確認するときは、次の条件をそろえます。

  • 間取り
  • 専有面積
  • 築年数
  • 駅からの距離
  • 階数
  • 建物の構造
  • 設備
  • 管理費・共益費
  • 募集家賃

同じエリアでも、駅距離や築年数が異なると家賃に差が出ます。

単に周辺の家賃を平均するのではなく、条件が近い物件を複数選んで比較しましょう。

また、ポータルサイトに掲載されている募集家賃は、実際に契約が成立した家賃とは限りません。

長期間掲載されている物件や、値下げ前の情報が含まれている可能性もあります。

レントロールと入金履歴を確認する

一棟マンションを検討する場合は、レントロールを確認します。

レントロールには、住戸ごとの家賃・共益費・入居状況・入居期間などが記載されています。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 各住戸の現行家賃
  • 入居期間
  • 空室期間
  • 滞納や遅延の有無
  • 家賃の改定履歴
  • 更新時期
  • 保証会社の利用状況

販売資料に記載された想定家賃と、実際の入金額が一致しているとは限りません。

購入前には、入金履歴や賃貸借契約書も確認し、現在の家賃収入を把握しましょう。

修繕履歴と今後の支出を確認する

家賃収入が多くても、修繕費や設備交換費が大きければ手取りは減少します。

特に一棟マンションでは、外壁・防水・給排水管・エレベーター・空調設備などの修繕時期を確認する必要があります。

区分マンションでも、修繕積立金の増額や一時金の徴収が予定されていないか、管理組合の資料を確認しましょう。

家賃収入だけで生活できるかは手取りで判断する

家賃収入だけで生活できるかは手取りで判断する

家賃収入だけで生活できるかを判断するときは、入居者から受け取る家賃の総額ではなく、経費やローン返済を差し引いた後の手取りを確認します。

満室時の家賃収入が多くても、空室や修繕が発生すると、生活費に使える金額は少なくなる可能性があります

。通常時だけでなく、空室が続いた場合や大きな修繕が発生した場合にも、生活を維持できるか試算しましょう。

家賃収入と手取りは異なる

家賃収入は、入居者から受け取る賃料の合計です。

一方、手取りは、家賃収入から運営に必要な支出を差し引いた後に残る金額を指します。

家賃収入が高く見えても、ローン返済額や修繕費が大きければ、毎月のキャッシュフローが赤字になることもあります。

ローン返済中と完済後では収支が変わる

ローン返済中は、毎月の家賃収入から元金と利息を返済します。

返済額が大きい場合、満室でも手元に残る金額が少なくなる可能性があります。

ローン完済後は返済負担がなくなるため、キャッシュフローは改善しやすくなります。

ただし、管理費・修繕費・固定資産税・保険料などの支出は継続します。

完済後の家賃収入を生活費に使う場合も、将来の大規模修繕や設備交換に備えた資金を残しておくことが重要です。

家賃収入で生活する場合の確認項目

家賃収入を生活費に充てたい場合は、次の条件で収支を試算します。

  • 満室が続くケース
  • 1戸または複数戸が空室になるケース
  • 家賃を下げて募集するケース
  • 金利が上昇したケース
  • 大規模修繕が発生したケース
  • 設備交換が重なったケース
  • 税引き後の手取りを確認するケース

通常時の収支だけでなく、悪い条件が重なった場合にも返済や生活を続けられるか確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

マンションの家賃収入の平均はいくらですか?

マンションの家賃収入に一律の平均額はありません。
区分マンション1室か一棟マンションか、戸数・間取り・築年数・立地によって収入が変わります。
平均を確認するときは、1室あたりの家賃、一棟全体の総家賃、経費やローン返済後の手取りを分けて考えることが大切です。

マンション1室の家賃収入だけで生活できますか?

1室の家賃収入だけで生活できるかは、家賃ではなく手取りで判断します。
管理費・修繕積立金・管理委託費・固定資産税・空室損失・ローン返済などを差し引くと、残る金額は家賃より少なくなります。
生活費を賄えるか確認するには、年間収支と税引き後のキャッシュフローを試算してください。

一棟マンションなら家賃収入は安定しますか?

一棟マンションは複数の住戸から収入を得られるため、1室だけを所有する場合より空室の影響が分散される可能性があります。
ただし、すべての住戸が常に埋まるとは限らず、築年数や立地によって空室が長期化することもあります。
修繕費や管理費も大きくなりやすいため、空室を想定した年間収支で判断しましょう。

家賃収入の平均を調べるとき、何を比較すればよいですか?

間取り、専有面積、築年数、駅からの距離、階数、設備が近い物件を比較します。同じエリアでも条件が異なる物件を単純に平均すると、実態から離れた数字になる可能性があります。募集家賃は成約家賃とは限らないため、複数の募集情報や管理会社の成約事例も確認すると判断しやすくなります。

マンションの家賃収入は平均額より実際の手取りで判断しよう

マンションの家賃収入は平均額より実際の手取りで判断しよう

マンションの家賃収入は、区分マンション1室か一棟マンションか、戸数や間取り、立地、築年数によって変わります。

そのため、全国一律の平均額だけで投資の良し悪しを判断することはできません。

まずは「月額家賃×戸数×12か月」で満室時の収入を計算し、空室損失・管理費・修繕費・保険料・税金・ローン返済を差し引きます。

さらに、家賃下落や金利上昇、大規模修繕が発生した場合も試算すると、収支の耐久性を確認できます。

平均額は参考情報として活用し、最終的には自分が検討する物件の条件に置き換えて判断しましょう。

家賃収入の大きさではなく、支出を差し引いた後に無理なく残る手取りと、空室や修繕が発生しても経営を続けられるかが重要です。

著者

クラウド管理編集部

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