「疑わしい取引」届出と契約継続は両立可能に―国交省が判断基準を明確化

「疑わしい取引」届出と契約継続は両立可能に―国交省が判断基準を明確化

国土交通省が「疑わしい取引の届出」に関する判断基準を明確化した。届出を行っても契約締結は可能であり、届出義務と契約実務が両立できることが改めて示された形だ。

【国土交通省】「「疑わしい取引の届出」にお ける判断基準の明確化」の解釈について

出典: 全宅連

この通知は、犯罪収益移転防止法に基づく「疑わしい取引の届出」について、実務上の誤解を解消することが目的とされている。

現場では「届出をすると契約できないのではないか」という懸念から、届出をためらうケースが存在していた。しかし国交省は今回、届出と契約締結は両立可能であることを明示した。これは、マネーロンダリング対策と通常の賃貸業務を両立させるための重要な整理といえる。

賃貸オーナー・管理会社にとって重要なのは、犯罪収益移転防止法上の義務を果たしつつ、正当な取引を妨げないという実務的なバランスだ。届出義務は宅地建物取引業者に課されているが、管理会社や仲介会社が関与する入居審査では、この判断基準を共有しておく必要がある。

具体的には、本人確認書類の不備、資金源の不明確さ、不自然な契約条件などが「疑わしい」と判断される要素となる。ただし疑わしさがあっても、それだけで契約を拒否する義務はない。届出は当局への情報提供であり、契約可否の判断とは別の手続きとして理解すべきだ。

今回の明確化により、適切な届出を行いながら通常業務を進める道筋が示された。管理実務においては、届出基準と入居審査基準を混同しないことが求められる。

確認すべきこと

  • 犯罪収益移転防止法に基づく「疑わしい取引」の判断基準を社内で再確認する
  • 届出を行った場合でも契約締結が可能であることを、仲介会社・現場担当者と共有する
  • 入居審査基準と届出義務を混同せず、それぞれ別の手続きとして運用体制を整備する
  • 国土交通省の通知内容を確認し、必要に応じて顧問弁護士と対応方針を協議する
著者

クラウド管理編集部

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