入居者の自主リノベ希望にどう対応するか—設備改変の責任範囲を明確に

入居者の自主リノベ希望にどう対応するか—設備改変の責任範囲を明確に

住宅リノベーション設計士による自宅改修事例が紹介されている。賃貸物件でも入居者から「自費でリノベしたい」という相談は増えており、原状回復義務や設備責任の所在について事前の取り決めが不可欠だ。

『海外みたいにセンスのある部屋のつくり方』著者、2度目の自宅マンションリノベ。本棚の奥にベッドルームなど工夫が凝縮!家族と”育てていく”心地よい空間 リノベーション設計士・早さん

出典: SUUMOジャーナル

本棚の奥にベッドルームを設置するなど、専門家による大規模な間取り変更事例だが、賃貸オーナーにとって重要なのは「入居者による改修をどこまで認めるか」という判断基準である。

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居者の故意・過失による損耗は入居者負担、通常使用による損耗は貸主負担とされている。しかし、入居者が自主的に行った間取り変更や造作設置は、契約書で明示していなければトラブルの原因になる。

特に注意すべきは設備責任だ。入居者が設置した造作や変更した配管・電気設備に不具合が生じた場合、誰が修繕費用を負担するのか。退去時の原状回復範囲はどこまでか。これらを契約時に書面で定めておかないと、退去時に「この壁は誰が作ったのか」「この配線工事費用は誰の責任か」という争いになる。

入居者の自主改修を認める場合、工事前の図面提出義務、建築基準法・消防法の遵守確認、原状回復義務の免除範囲、設備故障時の責任分担を特約として明記する必要がある。また、共用部分への影響や構造躯体への影響がないか、管理組合への届出が必要な場合は事前確認を徹底すべきだ。

確認すべきこと

  • 契約書に「入居者による改修工事の事前承認制」と「原状回復義務の範囲」を明記しているか確認
  • 入居者が設置した設備の故障時、修繕費用負担と責任の所在を特約で定めているか確認
  • 構造躯体・共用設備への影響を避けるため、工事前の図面提出と管理会社による確認体制を整備
  • 退去時の原状回復費用トラブルを避けるため、工事前後の写真記録と費用見積を双方で保管
著者

クラウド管理編集部

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