令和7年6月27日付の国交省事務連絡を受け、業界団体が本人確認の徹底を指示。賃貸業務でも犯罪収益移転防止法だけでなく、宅建業法や民法上の義務として本人確認が求められる。
不動産取引における契約当事者の本人確認等の意義や犯罪収益移転防止法以外の法的根拠、これを怠った場合の責任など。
出典: 不動産流通推進センター
賃貸借契約の媒介・管理業務においても、本人確認は単なる犯罪収益移転防止法の問題ではない。宅建業法上、契約当事者の意思確認は媒介業者の善管注意義務の一部であり、これを怠れば業法違反や損害賠償責任を問われる可能性がある。
具体的には、契約締結時に運転免許証等の本人確認書類を確認し、契約者本人の意思で契約しているか確認する義務がある。なりすましや無権代理による契約が後日判明した場合、オーナーは契約解除を余儀なくされ、管理会社は善管注意義務違反として損害賠償を請求される可能性がある。
特に法人契約では、契約締結権限の有無を登記事項証明書や委任状で確認すべきである。また外国人との契約では在留カードの確認が必要で、在留資格や在留期限が契約期間と整合しているか確認が求められる。
国交省の事務連絡は、疑わしい取引の届出強化も求めている。賃料を現金で一括前払いする、本人確認を極度に嫌がるなど不自然な取引態様がある場合、管理会社として慎重な対応が必要だ。本人確認の不備は行政処分や民事責任につながるため、社内マニュアルの見直しと従業員教育を早急に実施すべきである。
確認すべきこと
- 契約時の本人確認書類(免許証・パスポート等)の確認と記録保存の社内手順を再確認
- 法人契約における契約締結権限の確認方法(登記事項証明書・委任状)を明文化
- 外国人契約者の在留カード確認と在留期限・在留資格の記録手順を整備
- 疑わしい取引(現金一括払い・本人確認拒否等)発見時の社内報告ルールを策定
詳細は不動産流通推進センターの発表をご確認ください。
