住宅ローン不正利用、売主側の責任はどこまで問われるか

住宅ローン不正利用、売主側の責任はどこまで問われるか

住宅ローンの不正利用に関する法的責任の範囲が問題となっている。投資用物件を自己居住用として融資を受けるケースで、売主業者や媒介業者がどこまで責任を負うのか、法的判断基準を押さえておく必要がある。

住宅ローンの不正利用とローン利用者(物件買主)や売主業者・媒介業者の責任

出典: 不動産流通推進センター

本件は住宅ローン不正利用における売主・媒介業者の責任範囲に関わる問題である。賃貸オーナーにとっては、自身が物件を売却する際、または新規取得する際に直接関係する。

宅地建物取引業法では、宅建業者に「重要事項説明義務」「信義誠実義務」が課されている。買主が投資用物件を居住用ローンで購入しようとする場合、業者が積極的に関与すれば宅建業法違反や詐欺幇助に問われるリスクがある。一方、買主が単独で虚偽申告した場合の売主側責任は限定的だが、「知っていた」「疑うべき事情があった」場合は民事責任を問われる可能性がある。

金融機関は融資実行後も物件利用状況を確認する権利を有しており、不正が発覚すれば一括返済請求となる。この場合、買主は物件を売却せざるを得ず、売買代金返還請求や損害賠償請求が売主に向かう事例もある。

売主側としては、契約書に「買主の融資条件は買主の責任」と明記しても、積極的関与の事実があれば免責されない。媒介業者も同様で、買主からのローン相談に安易に応じることは法的リスクとなる。重要なのは「知らなかった」を立証できる記録の保持である。

確認すべきこと

  • 売買契約時、買主の資金使途・融資条件について書面で確認を取り、記録を5年以上保管する
  • 投資用物件の売却時、居住用ローン利用を示唆する買主・仲介業者とは取引を見送る判断基準を設ける
  • 媒介業者から融資相談を持ちかけられた場合、宅建業法35条・47条違反のリスクを確認する
  • 既存の売買契約について、融資条件と物件用途の整合性を示す書類が保管されているか点検する
著者

クラウド管理編集部

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