2025年10月、賃貸アパートの媒介時にLPガス料金の情報提供が不十分だった事案が報告された。宅建業法上の重要事項説明では不十分とされ、媒介業者に追加の説明義務が求められる可能性がある。
LPガスの供給契約・料金等に係る「情報提供」等の必要性
出典: 不動産流通推進センター
LPガス設備を採用している賃貸物件では、都市ガスと異なり料金体系が供給会社ごとに異なる。入居後に「ガス代が高い」とトラブルになるケースが増加しており、媒介時の情報提供が焦点となっている。
宅建業法第35条の重要事項説明では、ガス設備の「有無」は説明義務があるが、LPガス料金の具体的な単価や基本料金まで明示する義務は法文上明記されていない。しかし消費者契約法の観点から、契約判断に重要な情報を提供しなかった場合、媒介業者の説明義務違反が問われる余地がある。
オーナー・管理会社は、LPガス供給会社と賃借人の契約は別途発生するものの、媒介段階で「月額どの程度かかるか」を借主が判断できる情報を用意しておく必要がある。特に新築物件でLPガスを採用する場合、無償貸与契約(設備費を月々のガス料金に上乗せ)の有無により料金が大きく変わる。媒介業者から「料金目安を示せない」と言われないよう、供給会社から標準的な料金表を取得し、書面で提供できる体制を整えるべきだ。
国土交通省は宅建業法の運用解釈で、借主保護の観点から情報提供の範囲を拡大する方向にある。今後、LPガス料金の明示が事実上義務化される可能性を見据え、物件資料に料金目安を記載する準備を進めたい。
確認すべきこと
- LPガス供給会社から標準料金表(基本料金・従量単価)を書面で取得する
- 無償貸与契約の有無と設備償却期間を確認し、料金への上乗せ額を把握する
- 物件資料に「LPガス月額目安(○○㎥使用時○○円程度)」を記載する
- 媒介業者と情報共有し、重要事項説明時に料金情報を提供できる体制を作る
詳細は不動産流通推進センターの発表をご確認ください。
