賃借人の同居者が共用部を破損—オーナーが負う責任の範囲

賃借人の同居者が共用部を破損—オーナーが負う責任の範囲

区分マンションで賃借人の妻が駐車場フェンスを破損したが、賃借人は修繕費用を負担しないと主張している事例が報告された。賃貸借契約における賃借人の責任範囲と、区分所有者としての管理組合への責任が問題となる。

マンションの区分所有者が賃貸した賃借人の同居者が、共有部分を毀損させた場合、賃貸人である区分所有者は責任を負うか。

出典: 不動産流通推進センター

この事例は、賃貸オーナーが二重の法律関係に立つことを示している。まず賃貸借契約上、賃借人は「同居者の行為についても賃借人自身の行為とみなす」のが判例の立場だ(民法615条類推適用)。妻は賃借人の履行補助者にあたり、その過失による損害は賃借人が負う。

次に管理組合との関係では、区分所有法第6条により「区分所有者は、専有部分を占有する者に対し使用させる場合、規約・使用細則の遵守義務を負わせる責任がある」。占有者(賃借人・同居者)が共用部分を毀損した場合、区分所有者が一旦管理組合に対して損害賠償責任を負い、その後賃借人に求償する流れになる。

ここで重要なのは管理組合への支払期限だ。管理組合の総会決議や理事会決定で「○日以内に修繕費用を納付」と通知されれば、賃借人との交渉中でも区分所有者は期限内に支払う義務を負う可能性が高い。滞納すれば遅延損害金が発生し、最悪の場合は競売申立ての対象にもなりうる。

賃貸借契約書に「賃借人および同居者の行為による共用部分の損害は賃借人負担」と明記されていても、賃借人が支払わない場合の立替と求償の手間は避けられない。契約時に連帯保証人を立てるか、家賃債務保証会社の「施設賠償特約」付き商品を選ぶかが現実的な対策となる。

確認すべきこと

  • 賃貸借契約書に「賃借人の同居者・訪問者の行為による共用部分損害も賃借人負担」の条項が明記されているか確認
  • 管理組合から修繕費用請求が来た場合の支払期限と遅延損害金率を管理規約で確認
  • 新規契約時に家賃債務保証会社の施設賠償特約(共用部損害もカバーする商品)の付保を検討
  • 区分所有者として管理組合に支払った後、賃借人への求償権行使の証拠として内容証明郵便で通知
著者

クラウド管理編集部

関連ニュース/ Related News