入居者の6割が「冷房だけでは限界」―断熱性能が空室率を左右する時代に

入居者の6割が「冷房だけでは限界」―断熱性能が空室率を左右する時代に

東京都の調査で、自宅で35℃以上を経験した人が約35%、「冷房だけでは限界」と感じる人が約6割に達した。電気代高騰が続く中、断熱性能の低い物件は入居者募集・更新で不利になる可能性がある。

「冷房だけでは限界」が約6割。東京都の意識調査から見えた、酷暑を乗り切る「断熱リフォーム」の必要性。助成制度も解説

出典: SUUMOジャーナル

賃貸物件の競争力は立地・設備だけでなく、居住コストの予測可能性で決まる時代になった。電気代が高止まりする現状で、断熱性能の低い物件は「住み続けられない物件」と判断されるリスクがある。

特に注意すべきは、内見時には分からない夏場の室温問題だ。入居後に「エアコンをつけても35℃を超える」「電気代が想定の2倍かかる」といったクレームは、設備故障ではなく建物性能の問題として、オーナー側に改善責任はないと判断されるのが通例だ。しかし、実際には退去や風評リスクにつながる。

東京都は断熱リフォームの助成制度を用意しているが、重要なのは助成金の有無ではなく、投資回収の見通しだ。断熱改修により①入居期間の長期化、②募集時の差別化、③将来の省エネ基準義務化への対応、という3つの効果が見込めるかを判断基準にすべきだ。

特に築20年以上の木造・軽量鉄骨物件では、窓の断熱性能が著しく低い場合が多い。大規模修繕のタイミングで窓サッシの交換や内窓設置を検討する価値はある。金額は1戸あたりの窓の数・面積で大きく変わるため、まずは専門業者による現地調査と見積取得が必須だ。

確認すべきこと

  • 所有物件の建築年と断熱仕様(特に窓の種類)を確認し、1993年以前の旧省エネ基準物件はリスク評価を実施
  • 夏季の入居者からの室温・電気代に関するクレーム履歴を確認し、特定の部屋・方角で問題が集中していないか分析
  • 東京都などの自治体が提供する断熱改修助成制度の要件・補助率・申請期限を確認(自治体により制度内容は異なる)
  • 大規模修繕計画に断熱改修項目を追加した場合の概算費用と、家賃維持・空室率改善効果を試算
著者

クラウド管理編集部

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