売買契約で相手が債務不履行となり、訴訟に至った場合、弁護士費用を相手方に請求できるかは重要な論点です。賃貸借契約でも同様の問題が発生します。
売買契約における債務不履行訴訟にかかった弁護士報酬を相手方に請求することができるか。
出典: 不動産流通推進センター
賃貸経営においても、契約違反による訴訟は避けられないリスクです。滞納家賃の回収、原状回復費用の請求、明渡訴訟など、弁護士に委任せざるを得ない場面は少なくありません。
民法では、債務不履行による損害賠償の範囲は「通常生ずべき損害」とされています(民法416条)。しかし、弁護士費用が相手方に請求できる損害に含まれるかは、訴訟類型や個別事情によって判断が分かれます。不法行為訴訟では一定割合の弁護士費用が認められる傾向がありますが、債務不履行訴訟では原則として認められないのが実務の通例です。
賃貸契約書に「債務不履行時の弁護士費用は相手方負担とする」と明記しても、裁判所が必ずしも全額を認めるとは限りません。また、訴訟に勝訴しても弁護士費用の大半は自己負担となる可能性を前提に、訴訟提起の判断をする必要があります。
対応としては、少額の滞納段階での早期回収、保証会社の活用、敷金・保証金の適正設定が重要です。訴訟リスクを織り込んだ資金計画と、弁護士費用を含めた回収コストの試算を事前に行うべきです。訴訟による回収額から弁護士費用を差し引いた実質回収額が、和解による回収額を下回るケースも少なくありません。
確認すべきこと
- 賃貸借契約書に弁護士費用負担条項があるか確認(ただし裁判所が全額認めるとは限らない)
- 訴訟提起前に弁護士費用の見積もりを取得し、回収見込額と比較
- 少額滞納の段階で督促・法的手続きを開始するフローを整備
- 保証会社の代位弁済条件・訴訟代行サービスの有無を確認
詳細は不動産流通推進センターの発表をご確認ください。
