マンションのひび割れは放置して大丈夫?原因・危険度・修繕費用をオーナー向けに解説

マンションのひび割れは放置して大丈夫?原因・危険度・修繕費用をオーナー向けに解説

この記事の要点

  1. マンションのひび割れは、幅だけでなく、発生場所や形、雨漏り・さび汁の有無を確認して判断する
  2. 幅0.5mm以上のひび割れや、鉄筋の露出、外壁の浮きがある場合は、早めに専門家へ調査を依頼する
  3. 修繕費は補修範囲や足場の有無で大きく変わり、大規模修繕では1戸当たり100万~250万円程度が参考値

マンションにひび割れがあっても、直ちに危険な状態とは限りません。コンクリートは乾燥や温度変化で収縮するため、細いひび割れが生じることがあります。

一方、雨水が入り鉄筋が腐食すると、外壁の剥落や雨漏りにつながる可能性があります。早めに状態を記録し、調査することが重要です。

この記事では、ひび割れの原因、危険度、修繕費用、オーナーの対応を解説します。

マンションにひび割れが生じる主な原因

マンションの外観のひび割れ

ひび割れは、原因によって緊急度や補修方法が異なります。主な原因は、コンクリートの乾燥収縮です。内部の水分が減るとコンクリートが縮み、細いひび割れが生じます。

外壁は気温や日射で膨張と収縮を繰り返します。塗膜や下地が動きに追従できなくなると細かな割れが生じ、窓やドアの周囲には斜めのひび割れが出ることもあります。

注意したいのが、コンクリート内部の鉄筋の腐食です。ひび割れから水分が入り、鉄筋がさびて膨張すると、内部からコンクリートが押し出されます。外壁に茶色いさび汁、膨れ、欠損が見られる場合は、表面だけでなく内部まで劣化している可能性があります。

国土交通省の共同住宅に関する技術資料でも、ひび割れは大きさや形だけでなく、乾燥収縮、温度差、中性化、塩害、不同沈下などの原因まで調べる必要があるとされています。

危険なひび割れを見分けるポイント

ポイント

ひび割れの確認では、幅・場所・形・付随する症状の4点を見ます。国土交通省の住宅瑕疵担保責任保険に関する現場検査資料では、コンクリート打放しや塗装仕上げの外壁について、幅0.5mm以上のひび割れ、さび汁、鉄筋の露出などが確認項目に挙げられています。

状態対応の目安
幅0.3mm未満で変化がない写真と幅を記録し、定期的に確認する
幅0.5mm以上ある専門家へ相談する
さび汁・膨れ・欠損がある鉄筋腐食を考え、早めに調査する
タイルやモルタルが浮いている落下防止措置を取り、緊急点検する
雨漏りを伴っている応急処置と原因調査を同時に進める
地震後に急に増えた構造部分を含めて専門家に確認する

0.3mmや0.5mmは判断材料ですが、数値だけで安全性は断定できません。細くても長く伸びている場合や、以前より広がっている場合は調査が必要です。

ひび割れを放置すると起こり得る問題

ひび割れで起こり得る問題を提起

雨水が入ると、雨漏りやかび、鉄筋の腐食につながる可能性があります。劣化が進めば、傷んだコンクリートの除去や鉄筋の防錆処理も必要になります。

タイルやモルタルが浮いた状態では、落下事故にも注意が必要です。建築基準法第12条の定期報告対象となる建物では、国土交通省の告示により、手の届く範囲の打診などをおおむね6か月から3年以内に1回、歩行者などに危害を与えるおそれがある部分の全面的な調査をおおむね10年に1回行う仕組みがあります。対象建物や報告時期は自治体によって異なります。

賃貸マンションでは、民法606条により、賃貸人は使用や収益に必要な修繕を行う義務を負います。また、外壁材の落下などで第三者に損害が生じた場合は、民法717条の工作物責任が問題になる可能性があります。責任は管理状況や原因で異なるため、事故時は保険会社や弁護士にも確認しましょう。

マンションのひび割れ修繕費用

修繕費用

修繕費は、ひび割れの長さや深さ、作業場所の高さ、足場、外壁材、下地の傷み方で変わります。現地調査前に金額を確定することはできません。

細く浅いひび割れでは、表面を被覆する工法が選ばれることがあります。内部まで達している場合は樹脂を注入し、幅が広い場合はひび割れに沿って溝を作り、補修材を充填する方法などが検討されます。工法は、ひび割れの動きや水分、鉄筋腐食の有無で判断します。

国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、大規模修繕工事の費用について、1戸当たり100万~250万円程度が参考値として示されています。税抜きで共通費を含まない金額であり、ひび割れ補修のほか、外壁塗装、防水、シーリングなど複数の工事を含む点に注意が必要です。

部分補修でも、高所では足場費用が大きくなることがあります。見積書では補修箇所数、施工距離、材料、足場、保証期間を確認し、2~3社を比較しましょう。

オーナーがひび割れを見つけたときの対応

ひび割れを発見した時の対策

まず、全体と近接写真を撮り、発見日、場所、幅、長さ、雨漏りやさび汁の有無を記録します。クラックスケールを当てると、後日の変化を比較しやすくなります。

タイルやコンクリートが落下するおそれがある場合は、補修の見積もりより先に、安全を確保します。カラーコーンや掲示で危険箇所への立入りを制限し、管理会社や施工会社へ連絡してください。

調査報告書には、原因、緊急度、補修範囲、推奨工法を記載してもらいます。雨漏りや外壁の浮きがある場合は、大規模修繕を待たずに部分修繕を検討します。

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、外壁塗装や躯体コンクリートの補修について12~15年の修繕周期が参考として示されています。ただし、これは計画を作るための目安であり、その年数まで劣化を放置してよいという意味ではありません。長期修繕計画も5年程度ごとに見直すことが推奨されています。

よくある質問

よくある質問

マンションのひび割れは何mmから危険ですか?

国土交通省の検査資料では、コンクリート外壁の幅0.5mm以上のひび割れが確認項目に挙げられています。ただし、0.5mm未満なら必ず安全という意味ではありません。さび汁、雨漏り、鉄筋の露出、ひび割れの拡大がある場合は、幅にかかわらず早めに調査を依頼しましょう。

細いひび割れなら大規模修繕まで待てますか?

幅が細く、雨漏りやさび汁がなく、数か月確認しても変化がない場合は、記録を続けながら大規模修繕時に補修する選択肢があります。ただし、次回工事が数年先の場合は、一度専門家に状態を確認してもらう方が安全です。外壁の浮きや剥落のおそれがある場合は、工事時期を待たずに対応します。

ひび割れの修繕費用はいくらですか?

部分補修の費用は、補修範囲と足場の有無によって大きく異なります。高所作業では、ひび割れ自体が短くても足場費用が加わることがあります。大規模修繕工事は国土交通省の調査で1戸当たり100万~250万円程度が参考値ですが、建物の規模や仕様によって変わります。

分譲マンションの外壁は区分所有者が修繕しますか?

外壁は一般的に共用部分に当たるため、管理組合が調査や修繕を進めます。1室の所有者が独自に外壁を補修することは避け、写真と発見場所を管理会社や管理組合へ伝えましょう。共用部分の範囲や費用負担は、管理規約も確認してください。

まとめ

まとめ

マンションのひび割れは、幅だけでなく、場所、形、広がり方、雨漏りやさび汁の有無を合わせて判断します。特に幅0.5mm以上、鉄筋の露出、外壁の浮きがある場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。

放置して鉄筋腐食や剥落が進むと、補修範囲が広がり、入居者や通行人への被害につながる可能性があります。発見時の写真と数値を残し、安全確保、現地調査、複数見積もりの順で対応しましょう。

著者

クラウド管理編集部

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