この記事の要点
- 2025年の消費者物価は前年比3.2%上がり、預金だけで持つと同じ金額で買える物が年々減っていく
- マンション価格の指数は2010年平均の2倍以上に達し、家賃と物件価格が物価とともに動く点がインフレ対策になる
- 金利と修繕積立金の上昇で収支が崩れやすいため、固定金利との比較と賃貸需要のある立地選びが欠かせない
「物価がどんどん上がって、預金だけで大丈夫なのか不安…」
「マンション投資がインフレ対策になるって本当?」
食料品や光熱費の値上がりが続き、預金の使い道を考え始めた方は少なくありません。2025年の消費者物価は前年より3.2%上がり、預金の利息では追いつきにくい状況です。物価が上がる局面では、現金のままにしておくと実質的な価値が下がっていきます。
マンションは家賃と物件価格が物価とともに上がりやすく、現金の目減りを補える資産です。金利と修繕積立金の上昇に備えておけば、インフレ下でも収支は崩れにくくなるでしょう。
家賃の見直し方やローンの使い方まで知っておけば、物件選びで迷う場面も減るはずです。
本記事では、インフレに強い理由と注意したいリスクに加え、インフレに強い物件の選び方も紹介します。
預金の目減りに振り回されず、物価上昇を味方にした資産づくりを進められるでしょう。
マンション投資がインフレ対策になる理由

マンション投資は、家賃と物件価格が物価とともに上がりやすいため、インフレ対策になります。
インフレとは、物価が上がり続けて、同じ金額で買える物が減っていく状態のことです。インフレに強い理由として、マンション投資には次の3つの性質があります。
- 物件価格:建築費や地価とともに上がりやすい
- 家賃:物価や周辺相場に合わせて見直せる
- ローン残高:現金の価値が下がると実質的な負担が軽くなる
預金にない3つの性質が、物価上昇による目減りを抑えてくれるでしょう。
物件価格が物価とともに上がりやすい
国土交通省の不動産価格指数では、マンション(区分所有)は令和7年12月に225.1でした。2010年平均を100とした数値で、15年で価格が2倍以上になった計算です。
建築資材や人件費が上がると新築の価格が上がり、中古の相場も引き上げられやすくなります。物価が上がる局面では、現金より物件で持つほうが価値を保ちやすいといえるでしょう。
参照:国土交通省「不動産価格指数(令和7年12月・令和7年第4四半期分)」
家賃を物価や相場に合わせて見直せる
家賃は、物価や周辺の相場が上がれば見直しを交渉できる収入です。借地借家法32条では、経済事情の変動などで家賃が不相当になると、貸主・借主が増減を請求できると定めています。
増額しない特約があれば特約が優先されるため、家賃は物価より遅れて上がるのが通常です。値上げの根拠として、周辺の募集家賃を日頃から確認しておきましょう。
ローン残高の実質的な負担が軽くなる
ローンの残高は金額で決まっているため、物価が上がっても借りた額は増えません。現金の価値が下がる分、返済の実質的な負担は軽くなります。
家賃が上がれば、同じ返済額でも家賃に占める返済の割合は下がっていくでしょう。金利が大きく上がらなければ、ローンを使う不動産投資はインフレ下で有利に働きます。
現金・預金だけではインフレに弱い

現金・預金は額面が変わらないため、物価が上がるほど買える物が減っていきます。
株式や金とくらべると、マンションは家賃という収入を毎月生み出す資産です。
物価上昇で預金の実質価値が下がる
総務省の消費者物価指数によると、2025年の総合指数は前年より3.2%上がりました。1年前に100万円で買えた物が、103万円あまり出さないと買えない状態です。
普通預金の利息だけでは、物価の上昇分を補えません。預金は生活費や急な出費に備える分を残し、残りの使い道を考えましょう。
参照:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)全国(最新の年平均結果の概要)」
株式・投資信託・金とマンション投資の違い
インフレに強いとされる資産でも、収入の有無や換金のしやすさは異なります。
| 資産 | 定期的な収入 | 価格の値動き | 換金のしやすさ |
| マンション | 家賃 | 比較的ゆるやか | 売却に時間がかかる |
| 株式・投資信託 | 配当・分配金 | 大きい | 数日で換金できる |
| 金 | なし | 大きい | 形態により異なる |
| 預金 | わずかな利息 | 変わらない | すぐ引き出せる |
マンションは換金に時間がかかる反面、毎月の家賃で値動きの影響をやわらげられる資産です。
インフレ下で注意したいマンション投資のリスク

インフレ下のマンション投資では、金利と修繕積立金の上昇で収支が崩れる点に注意が必要です。
物価が上がる局面では、家賃より先に支出が増えることもあります。
金利が上がると返済額が増える
物価上昇が続くと、日本銀行は政策金利を引き上げて物価を抑える場合があります。変動金利で借りていれば、返済額が増える時期は契約条件しだいです。
返済額の増え方が家賃の上昇を上回れば、手元に残る収入は減ってしまいます。購入前に、金利が1%上がった場合の返済額を試算しておきましょう。
修繕積立金が値上がりする
修繕積立金とは、外壁や屋上などの大規模修繕に備えて所有者が毎月積み立てる費用のことです。国土交通省の調査では、1戸あたりの月額平均は令和5年度に13,054円でした。
平成30年度の11,243円から、5年で1,800円あまり上がっています。建築資材や人件費が上がれば、修繕工事の費用も増えるでしょう。
参照:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」
インフレに強いマンションの選び方

インフレに強いマンションを選ぶ決め手は、家賃を保てる立地と金利上昇に耐えられる資金計画です。
物件選びでは、次の3点を確認しましょう。
- 立地:駅から近く、賃貸需要が続くエリアか
- 金利:固定金利と変動金利の返済額をくらべたか
- 修繕計画:長期修繕計画と修繕積立金の残高が十分か
3点を購入前に確かめておくと、物価が上がっても収支が崩れにくくなるでしょう。
賃貸需要が続く立地を選ぶ
家賃を物価に合わせて上げられるかどうかは、借りたい人の多さしだいです。駅に近いエリアや、大学・企業が集まるエリアは空室が出にくいとされます。
購入前に、周辺の募集家賃と空室の数を不動産ポータルサイトで確かめましょう。家賃相場が上がっている地域ほど、値上げの話し合いも進めやすいでしょう。
固定金利と変動金利の返済額をくらべる
全期間固定金利とは、借りた時点の金利が返済期間中に変わらない借り方のことです。固定期間が限られる商品もあるため、期間の長さも確かめましょう。
変動金利を選ぶなら、返済額が増えても家賃収入で払えるかどうかを基準に判断します。自己資金を多めに入れて借りる額を抑えるのも、金利上昇への備えのひとつです。
長期修繕計画と修繕積立金の残高を確認する
中古マンションでは、管理組合の長期修繕計画と修繕積立金の残高を購入前に確認しましょう。残高が計画より少ない物件は、購入後に修繕積立金の値上げや一時金の徴収が起こる可能性があります。
不動産会社に重要事項調査報告書を取り寄せてもらうと、修繕積立金の残高や滞納の有無が確かめられるでしょう。工事費が上がる前提で、計画に余裕があるかを見極めることが大切です。
よくある質問
マンション投資はインフレ対策として本当に有効ですか?
インフレで金利が上がるとマンション投資は不利になりますか?
インフレ対策なら新築と中古のどちらがよいですか?
まとめ|インフレ対策は収支の試算から始めよう

物価が上がる局面では、家賃と物件価格が上がりやすいマンションは、預金の目減りを補う資産です。金利と修繕積立金の上昇に備えた資金計画があってこそ、インフレ対策として機能します。
気になる物件があれば、金利が1%上がった場合と修繕積立金が上がった場合の収支を試算してみましょう。
収支の見通しを持って選んだマンションは、物価が上がるほど頼れる資産として育っていくでしょう。


