この記事の要点
- マンション投資の購入は情報収集から引き渡しまで8段階で、完了までおよそ2〜3か月かかる
- 買付申込書を出す前に自己資金と借入可能額を決めておくと、融資審査の途中でつまずきにくい
- 諸費用は物件価格の1割前後が目安で、仲介手数料や登記費用は現金での用意が必要になる
「マンション投資に興味はあるけれど、何から手をつければいいのか」
「不動産会社に問い合わせたあと、どう話が進むのか見えない…」
物件情報を見比べる段階までは自力で進められても、買付申込書や事前審査という言葉が出た途端に足が止まります。手順の順番が曖昧だと、条件の合う物件が出てきても判断を先延ばしにしてしまいがちです。
購入の手続きは8つの段階に分かれ、段階ごとにやることは決まっています。順番を先に頭へ入れておけば、営業担当者の説明にも落ち着いて向き合えます。
本記事では、マンション投資の購入の流れを8ステップにまとめました。各段階の所要期間、買付申込書と売買契約の違い、契約時にかかる諸費用の内訳も取り上げます。
読み終えるころには、次に何をすべきかが具体的に見えてくるでしょう。
マンション投資の購入の流れは8ステップで進む

マンション投資の購入は、情報収集から引き渡しまでの8段階で進みます。
融資を使う場合、完了までの期間はおおむね2〜3か月です。
8ステップの全体像
購入の手続きは、次の順番で進みます。
- 投資の目的と予算を決める
- 物件情報を集めて候補を絞る
- 現地調査と内見をおこなう
- 買付申込書を提出する
- 融資の事前審査を受ける
- 売買契約を結ぶ
- 本審査と金銭消費貸借契約を結ぶ
- 決済・登記・引き渡しを受ける
前半の4つは自分の判断で進められ、後半の4つは金融機関と売主の都合次第です。
購入完了までの期間
物件探しから買付申込書を出すまでの期間は、条件の絞り込み具合で変わります。買付申込書の提出から引き渡しまでは、融資利用で1〜2か月が一般的です。
現金購入なら審査がないため、2〜3週間で決済まで進む例もあります。
流れを把握せずに進める失敗
順番を知らないまま動くと、買付申込書を出した後に資金不足に気づきます。買付申込書に法的な拘束力はないものの、撤回が続けば売主や仲介会社の信頼を損ないかねません。
融資特約を契約書へ入れておくと、期限内に審査が通らなかった場合は契約を白紙へ戻せます。
マンション投資の購入前に固める準備

物件を探し始める前に決めておくのは、次の3点です。
- 投資の目的と目標額
- 自己資金と借入可能額
- 物件条件の絞り込み
決まらないまま内見に進むと、担当者のすすめる物件に流されやすくなります。
投資の目的と目標額
マンション投資の目的とは、家賃収入で毎月いくら残したいのかという到達点です。たとえば年金の補完なら手残り月3万円、資産の拡大なら5年後の売却益といった形です。
目的が決まると、狙うべき価格帯と立地の条件が絞られます。
自己資金と借入可能額
自己資金は、頭金と諸費用の合計です。諸費用は物件価格の1割前後が目安となるため、手元資金をすべて頭金へ回す組み方は避けます。
借入可能額は年収や勤続年数、借入残高で決まり、基準は金融機関ごとに違います。
物件条件の絞り込み
絞り込む軸は、エリア、築年数、価格帯、間取りの4つです。区分マンションは1戸単位で買えるため、初回の資金負担が軽くなります。
一棟物件は空室の影響を分散できますが、自己資金は数千万円規模が必要です。
物件探しからマンション投資の購入申込までの手順

物件探しから買付申込書の提出までは、次の3段階で進みます。
- 物件情報の集め方
- 現地調査で見る点
- 買付申込書の提出
確認を省くと、購入後の空室や修繕費で収支が崩れます。
物件情報の集め方
物件情報の入手先は、投資用のポータルサイトと不動産会社の紹介の2つです。
ポータルサイトは物件数が多く、価格と利回りの相場観をつかめます。
現地調査で見る点
現地調査では、書面ではわからない周辺環境と建物の状態を確認します。見るべき点は次のとおりです。
- 駅からの実際の道のりと夜間の人通り
- 共用部の清掃状況とゴミ置き場の管理
- 掲示板に貼られた総会や修繕工事の案内
- 周辺の競合物件の募集家賃と空室数
管理が行き届かない建物では、修繕積立金の不足が起きやすくなります。
買付申込書の提出
買付申込書とは、購入の意思と希望条件を売主へ伝える書面です。購入希望価格、手付金の額、契約の希望日、融資特約の有無を記入します。
提出が早いほど交渉で優先されやすく、迷う間に他の買主へ渡ることもあります。
融資審査を経てマンション投資の購入契約を結ぶ手順

買付申込書が受理されたあとの流れは、事前審査、売買契約、本審査、決済の順です。
融資の審査は2段階に分かれ、売買契約はその間に入ります。
事前審査と売買契約
事前審査は、年収や勤務先、物件の担保価値をもとにした簡易な審査です。結果は3日から1週間ほどが目安で、通過後は売買契約へ進みます。
売買契約の前には、宅地建物取引業法35条にもとづく重要事項説明を受けます。
本審査と金銭消費貸借契約
本審査で必要になるのは、売買契約書や登記事項証明書です。回答までは2週間前後が目安で、健康状態によっては団体信用生命保険で止まる場合もあります。
承認後に結ぶのが金銭消費貸借契約で、借入額や金利、返済期間を確定させます。
決済・登記・引き渡し
決済日にまとめておこなうのは、融資の実行、残代金の支払い、所有権移転登記の申請です。登記は司法書士が代理し、抵当権の設定登記も同時に申請します。
登記でかかる登録免許税は、売買による所有権移転で不動産価額の2%です。土地は令和11年3月31日まで1.5%に下がるものの、住宅用家屋の軽減は自分で住む場合に限られます。
固定資産税と管理費は引き渡し日を境に日割りで精算し、敷金も引き継ぎます。
マンション投資の購入でかかる諸費用

購入時の諸費用は、物件価格の1割前後が目安です。
ローンで賄えない費用も多く、現金での準備が要ります。
契約時と引き渡し時の費用
主な費用は次のとおりです。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 支払う時期 |
| 手付金 | 物件価格の5〜10% | 売買契約時 |
| 仲介手数料 | 価格の3%+6万円+消費税 | 契約時と決済時に分割 |
| 印紙税 | 契約金額に応じた定額 | 売買契約時 |
| 登録免許税 | 固定資産税評価額に税率を乗じた額 | 決済時 |
| 司法書士報酬 | 数万円から10万円程度 | 決済時 |
| 火災保険料 | 契約期間と補償内容で変動 | 決済時 |
仲介手数料の上限は宅地建物取引業法46条にもとづく報酬告示で定められています。価格400万円超の物件では、価格の3%に6万円を加えた額が上限です。
購入後の税金とランニングコスト
引き渡しから3〜6か月ほど経つと、不動産取得税の納税通知書が届きます。住宅とその敷地の取得にかかる税率は3%で、令和9年3月31日までの軽減措置です。
毎年かかるのは固定資産税と都市計画税で、管理費と修繕積立金も毎月生じます。賃貸管理を委託する場合の手数料は、家賃の3〜5%程度で設定されるのが一般的です。
よくある質問
マンション投資の購入にはどのくらいの期間がかかりますか?
自己資金はいくら用意すればよいのでしょうか?
買付申込書を出した後にキャンセルはできますか?
管理会社はいつまでに決めればよいですか?
まとめ|流れを押さえてマンション投資の第一歩を踏み出す

マンション投資の購入は、目的の設定から決済まで8段階で進み、完了までおよそ2〜3か月かかります。先に自己資金と物件条件を数字で決めておけば、買付申込書を出す場面でも迷いません。
希望エリアの募集家賃と売り出し価格を調べ、利回りの相場観をつかむところから始めてみましょう。
手順と費用の全体像を持っていれば、条件の良い物件に出会ったときに落ち着いて動けます。


