この記事の要点
- 高層階は眺望や希少性を評価されやすい一方、購入価格が高く利回りが低くなる場合がある
- 低層階は価格を抑えやすく、高層階との賃料差が小さければ収益性で有利になることがある
- 投資する階数は、同じ建物内の販売価格・成約賃料・売却実績を比較して判断する
「タワーマンションへ投資するなら、高層階を選ぶべき」と考えている方もいるのではないでしょうか。
確かに、高層階は眺望や希少性を評価されやすく、賃貸募集や売却で差別化できる可能性があります。
しかし、高層階は購入価格も高くなりやすいため、賃料を高く設定できても利回りが低くなる場合があります。
一方、低層階には眺望や騒音などの懸念があるものの、購入価格と賃料のバランスによっては高層階より収益性が高くなるでしょう。
この記事では、タワーマンション投資における高層階と低層階の違いを、利回り・資産価値・賃貸需要・売却しやすさの観点から比較します。
タワーマンション投資は高層階と低層階のどちらがよい?

タワーマンション投資では、高層階と低層階のどちらが常に有利とはいえません。
毎月の収益を重視するなら低層階、眺望や希少性を生かした賃貸・売却を狙うなら高層階が候補になります。
ただし、高層階や低層階に統一された区分があるわけではありません。
30階建ての20階と50階建ての20階では、建物内における位置づけが異なります。
階数だけを見るのではなく、同じマンション内の住戸を相対的に比べることが大切です。
主な違いは、次のとおりです。
| 比較項目 | 高層階 | 低層階 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 高くなりやすい | 抑えやすい |
| 賃料 | 高く設定できる場合がある | 高層階より低い傾向 |
| 表面利回り | 低くなる場合がある | 高くなる場合がある |
| 主な魅力 | 眺望・日当たり・希少性 | 価格・移動のしやすさ |
| 売却時の強み | 居住性を訴求しやすい | 手頃な価格を訴求しやすい |
投資判断で特に確認したいのは、高層階と低層階の「価格差」と「賃料差」です。
高層階の購入価格が大幅に高くても、賃料にはそれほど差がなければ、低層階のほうが高い利回りを確保できます。
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タワーマンションの高層階に投資するメリット・デメリット

高層階の大きな特徴は、眺望や希少性を賃貸募集と売却時の訴求材料にできることです。
一方、購入価格の高さが収益を圧迫する可能性もあります。
高層階という情報だけで判断せず、部屋から実際に何が見えるかまで確認しましょう。
眺望や希少性を評価されやすい
周囲の建物より高い位置にある住戸は、眺望や日当たり、外部からの視線の入りにくさを評価される場合があります。
同じマンションでも、海や河川、夜景などを見渡せる部屋は、ほかの住戸と差別化しやすいでしょう。
国土交通省の地価動向報告でも、東京都中央区の月島地区について、眺望が得られることなどから高層マンションの分譲・賃貸需要が強いと分析しています。(出典:国土交通省「主要都市の高度利用地地価動向報告」)
ただし、これは特定地区の市場動向であり、すべてのタワーマンションに当てはまるわけではありません。
賃貸募集や売却で差別化しやすい
眺望のよい高層階は、住み心地や建物のブランド性を重視する入居者に訴求できます。
売却時も、同じマンション内に似た条件の売出物件が少なければ、希少性を示しやすくなります。
ただし、将来も同じ眺望が続くとは限りません。
周辺の空き地や駐車場に別の高層建築物が建つと、眺望や日当たりが変化する可能性があります。
購入価格に対して賃料が伸びない場合がある
高層階は、眺望などの付加価値が販売価格に反映されやすい一方、賃料を同じ割合で上げられるとは限りません。
価格差が賃料差を上回ると、低層階より表面利回りが低くなります。
また、景気や賃貸市場の変化によって、高額な賃料を支払える入居者が見つかるまで時間がかかる可能性もあります。
タワーマンションの低層階に投資するメリット・デメリット

低層階は「タワーマンションらしい眺望がない」と避けられることがあります。
しかし、同じ建物の立地や共用施設を利用しながら、購入価格を抑えられる点は投資上の強みです。
部屋の条件と価格が釣り合っていれば、有力な選択肢になります。
購入価格を抑えて利回りを確保しやすい
低層階は高層階より購入価格が低くても、賃料には大きな差が生じない場合があります。
このような物件では、低層階のほうが高い表面利回りを確保しやすくなります。
さらに、ラウンジや宅配ボックス、セキュリティなどの共用設備は、基本的に高層階の住戸と同様に利用できます。
眺望よりも立地や設備、賃料を重視する入居者にとっては、低層階でも十分な魅力となるでしょう。
移動しやすさを入居者へ訴求できる
低層階は、朝の混雑時にエレベーターを長時間待つ負担を抑えやすく、停止時も階段で移動しやすい傾向があります。
通勤や外出の頻度が高い入居者には、眺望より移動のしやすさが評価されることもあります。
一方、高層階では停電や設備停止の影響も確認が必要です。
眺望・騒音・プライバシーに注意する
低層階は、道路や線路からの騒音、通行人の視線、周辺建物による日当たりへの影響を受けやすい場合があります。
同じ階でも、道路側と中庭側、北向きと南向きでは入居需要が異なります。
内見時は窓を閉めた状態だけでなく、開けた状態の音も確認しましょう。
昼と夜、平日と休日で周辺環境が変わる可能性もあります。
防犯設備や窓の仕様、植栽による視線の遮り方まで確認すると、募集時の弱点を把握しやすくなります。
高層階と低層階の収益性を比較する方法

階数を選ぶときは、物件価格や想定賃料を個別に見るのではなく、同じ条件で利回りを計算します。
まずは表面利回りを比較し、その後に管理費などを差し引いた実質収支を確認しましょう。
表面利回りは、次の式で計算します。
表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100
同じマンション内の住戸を想定すると、次のような違いが生じます。
| 項目 | 低層階 | 高層階 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 月額賃料 | 20万円 | 23万円 |
| 年間家賃収入 | 240万円 | 276万円 |
| 表面利回り | 4.8% | 約4.2% |
この例では、高層階のほうが年間36万円多く家賃を得られますが、購入価格は1,500万円高くなっています。
そのため、表面利回りは低層階のほうが高い結果です。
高層階を選ぶなら、この価格差を保有中の家賃と売却価格で回収できるか検討する必要があります。
実際の収支では、管理費、修繕積立金、賃貸管理委託費、固定資産税・都市計画税、原状回復費なども差し引きます。
ローンを利用する場合は返済額と金利も加え、空室期間を設けた複数の条件で試算しましょう。
タワーマンション投資で階数を選ぶポイント

高層階と低層階を比較する際は、階数以外の条件をできるだけそろえることが重要です。
異なるマンションを比べると、立地や築年数、管理状態などの影響が混ざり、階数による差が分かりにくくなります。
比較する際は、次の項目を確認しましょう。
- 同じ建物内にある近い間取り・専有面積の販売価格
- 現在の募集賃料だけでなく過去の成約賃料
- 空室になってから入居が決まるまでの期間
- 階数・向き・眺望が近い住戸の売却実績
- 管理費・修繕積立金と今後の増額予定
- 周辺の再開発や高層建築物の建設計画
投資家向けに売却する場合は、利回りや賃貸実績が重視されやすくなります。
自宅として購入する実需層への売却を想定する場合は、眺望や日当たり、生活動線なども重要です。
購入前から売却先を想定し、出口に合った階数を選びましょう。
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よくある質問(FAQ)

タワーマンションの高層階は何階からですか?
この場合、30階建てなら21階以上、50階建てなら34階以上が目安です。
ただし、実際の評価は階数だけでなく、眺望や周辺建物との位置関係によって変わります。
タワーマンションの低層階は売却しにくいですか?
高層階より価格が手頃で、間取りや日当たり、騒音などに問題がなければ、実需層や投資家から選ばれる可能性があります。
売却しやすさを判断するには、同じマンションにある低層階の成約価格と売却期間を確認しましょう。
高層階なら低層階より高い賃料を設定できますか?
高層階でも眺望が遮られている場合や、窓の向きがよくない場合は、低層階との賃料差が小さくなることがあります。
階数だけで賃料を決めず、同じマンション内にある面積・間取り・向きの近い住戸の成約賃料を比較しましょう。
タワーマンション投資の階数は価格差と賃料差で判断しよう

高層階には眺望や希少性、低層階には購入価格と利回りの面で強みがあります。
どちらが適しているかは、毎月の収益と売却益のどちらを重視するかによって異なります。
「高層階だから資産価値が高い」「低層階だから売却しにくい」と決めつけるのではなく、同じ建物内の販売価格、成約賃料、空室期間、売却実績を比較しましょう。
高層階に支払う価格差を、保有中の家賃と将来の売却価格で回収できるか確認することが、階数選びで失敗を防ぐポイントです。


