この記事の要点
- 投資用マンションの不動産取得税は評価額×3%が基本。新築で床面積40㎡以上なら建物1,200万円の控除が使える
- 中古の投資用は建物の軽減が自己居住用に限られるため使えず、居住用より税額が重くなりやすい
- 納税通知書は取得の半年ほど後に届く。取得から30日以内の申告と、納税資金の確保が必要になる
「物件価格は決めたけれど、税金でいくら取られるのか読めない」
「投資用だと軽減措置は使えないのでは?」
マンション投資を始める前に、不動産取得税でつまずく方は少なくありません。
不動産取得税は取得の半年ほど後にまとめて請求されるため、資金を用意していないと収支計画が狂います。投資用は居住用と軽減措置で条件が異なる点にも注意が必要です。
仕組みと計算式さえ押さえれば、取得税は事前に見積もれます。税額を左右するのは、新築か中古か、そして床面積の広さです。
本記事では、マンション投資でかかる不動産取得税の計算方法と軽減措置をまとめました。かからないケースや納付の時期、取得時にかかるほかの税金も取り上げます。
事前に税額を把握しておけば、余裕を持った資金計画で投資に踏み出せるでしょう。
マンション投資の不動産取得税とは?仕組みと納税義務者

不動産取得税とは、土地や建物を手に入れたときに一度だけかかる都道府県税のことです。
マンション投資でも購入時に必ず対象となり、購入価格ではなく固定資産税評価額をもとに計算されます。
不動産取得税の基本と税率
不動産取得税は、取得した不動産の固定資産税評価額に税率を掛けて計算します。
税率は本来4%ですが、土地と住宅用の建物については2027年3月31日まで3%に軽減されています。投資用マンションの居室部分も住宅にあたるため、3%が適用される仕組みです。
評価額は購入価格の6〜7割程度が目安で、実際の額は固定資産評価証明書で確認できます。
参照:東京都主税局「不動産取得税Q&A」(Q5計算方法・税率)
投資用と居住用で何が違うのか
税率は投資用でも居住用でも変わりません。差が出るのは軽減措置の条件です。
建物の1,200万円控除は、新築なら投資用でも床面積の要件を満たせば使えます。中古住宅の軽減は、取得者が自分で住む場合に限られます。
中古の投資用マンションは建物の軽減を受けられず、居住用より税負担が重くなりやすい点に注意が必要です。
マンション投資の不動産取得税の計算方法

不動産取得税は「(固定資産税評価額−控除額)×3%」で求めます。
土地と建物を分けて計算するのが基本です。
計算式と固定資産税評価額
計算の出発点は固定資産税評価額です。購入価格ではなく、自治体が定めるこの評価額に3%を掛けます。
宅地は、2027年3月31日までに取得した場合、評価額の2分の1が課税標準になります。土地の評価額が2,000万円なら課税標準は1,000万円となり、3%を掛けた30万円が軽減前の税額です。
新築マンションの計算シミュレーション
新築の投資用マンションを例に計算します。土地評価額2,000万円、建物評価額4,000万円、専有面積90㎡のケースです。
建物は4,000万円から1,200万円を控除し、残る2,800万円に3%を掛けて84万円です。
| 区分 | 評価額 | 控除後 | 税額の目安 |
| 建物(新築) | 4,000万円 | 2,800万円 | 84万円 |
| 土地(宅地) | 2,000万円 | 軽減適用 | 大幅に減額 |
土地も評価額の2分の1に軽減が重なり、税額は控除の有無で大きく変わります。
マンション投資の不動産取得税を抑える軽減措置

軽減措置は建物と土地の両方に用意されており、マンション投資で税額を抑える中心になります。
新築か中古か、床面積の要件を満たすかで使えるかどうかが決まります。
建物にかかる控除(新築・中古)
新築住宅は、建物の評価額から1,200万円を控除できます。床面積が50㎡以上240㎡以下、賃貸用の共同住宅は40㎡以上240㎡以下が条件です。
投資用でも新築で床面積を満たせば控除を使えますが、ワンルームで40㎡を下回ると対象外です。
中古住宅の控除は新しいものほど大きく、最大1,200万円ですが、自分で住む場合に限られ、投資用では使えません。
土地にかかる軽減
建物が軽減の対象になる場合、土地の税額からも一定額が差し引かれます。控除されるのは、次のうち高いほうの金額です。
- 45,000円
- 土地1㎡あたりの評価額×2分の1×床面積の2倍(200㎡が上限)×3%
多くのマンションでは、この控除によって土地の税額が0円に近づきます。
軽減を受けるには申告が必要
軽減措置は自動では適用されません。取得後に都道府県税事務所へ申告して、初めて反映されます。
申告には売買契約書や登記事項証明書、床面積のわかる書類などが必要です。求められる書類は自治体によって違います。
手続きを忘れると軽減前の税額で請求されます。通知書が届く前に申告を済ませておくと安心です。
マンション投資で不動産取得税がかからないケース

不動産取得税は、取得の原因や評価額によっては課税されません。投資用でも当てはまるケースがあります。
代表的なのは、相続による取得と、評価額が免税点に満たない場合です。
相続で取得したケース
相続でマンションを取得した場合、不動産取得税はかかりません。売買とは扱いが異なり、非課税とされるためです。
法定相続人以外への特定遺贈や死因贈与では、課税される場合があります。生前贈与も課税の対象です。
相続で引き継いだ投資用マンションをそのまま賃貸に出す場合も、取得税は発生しません。
免税点未満・軽減で0円になるケース
評価額が一定額に満たない場合も課税されません。この基準を免税点と呼びます。
免税点の目安は次のとおりです(2026年4月1日以降)。
- 土地:評価額16万円未満
- 売買で取得した建物:1戸34万円未満
- 新築の建物:1戸66万円未満
新築マンションで建物の1,200万円控除が評価額を上回れば、税額は0円になります。
納付はいつ?マンション投資の不動産取得税の申告と納税

不動産取得税は、購入してすぐに請求されるわけではありません。取得から半年ほど後に、納税通知書が届きます。
申告の期限と納付時期を押さえ、資金を確保しておくことが大切です。
納税通知書が届く時期
納税通知書は、取得から半年ほど後に都道府県から届きます。自治体によっては1年近くかかることもあります。
納付期限は通知書に記載され、届いてから1ヶ月程度が一般的です。忘れたころに届くため、購入時の諸費用とは別枠で資金を確保しておくと安心です。
申告のタイミングと納付・経費計上
不動産を取得したら、原則として取得から30日以内に都道府県税事務所へ申告します。
軽減措置は申告して初めて適用されます。手続きを忘れると、本来より高い税額を請求されかねません。
納めた不動産取得税は、投資用であれば必要経費として計上できます。
不動産取得税とあわせてマンション投資でかかる税金

マンション投資では、不動産取得税のほかにも取得時にかかる税金があります。
代表的なのは登録免許税と印紙税、そして建物にかかる消費税です。
登録免許税
登録免許税は、購入した不動産の名義を登記するときにかかる税金です。登記の種類ごとの税率は下記の表のとおりです。
| 登記の種類 | 税率 |
| 土地の所有権移転登記 | 本則2%(2029年3月31日まで1.5%に軽減) |
| 建物の所有権移転登記 | 2% |
| 抵当権の設定登記 | 借入額の0.4% |
投資用は自己居住用向けの住宅軽減が使えず、建物の移転登記は2%が基本です。
印紙税と消費税
印紙税は、売買契約書に貼る印紙にかかる税金です。契約金額に応じて決まり、5,000万円超1億円以下なら軽減後で3万円です(2027年3月31日までの軽減措置)。
消費税は建物価格にかかりますが、土地の取得には課税されません。売主が個人の場合は建物にもかかりません。
新築や不動産会社が売主の中古では建物に10%が上乗せされます。
参照:国税庁「No.7108不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
よくある質問
投資用マンションでも軽減措置は受けられますか?
不動産取得税はいくらくらいかかりますか?
申告を忘れるとどうなりますか?
不動産取得税は経費にできますか?
まとめ|マンション投資の不動産取得税は事前の把握で怖くない

マンション投資の不動産取得税は、評価額に3%を掛けて計算し、新築なら建物の1,200万円控除で大きく抑えられます。中古の投資用マンションは建物の軽減が使えず、負担が重くなりやすい点に注意します。
まずは検討している物件の固定資産税評価額を調べ、取得税の概算を出してみましょう。通知書は取得の半年ほど後に届くため、その分の資金を別に確保しておくと安心です。
税額をあらかじめ見積もっておけば、想定外の出費に慌てず、落ち着いて投資を進められます。


