マンション総会はオンラインで開催できる?開催方法やメリット・注意点を解説

マンション総会はオンラインで開催できる?開催方法やメリット・注意点を解説

この記事の要点

  1. マンションの総会は、WEB会議システムなどを活用してオンラインで開催できる
  2. オンライン総会には、対面とオンラインを併用する方法とオンラインのみで開催する方法がある
  3. 開催前には管理規約を確認し、本人確認や議決権行使、通信障害への対応などを決めておくことが大切

仕事や家庭の都合、遠方に住んでいるなどの理由から、会場へ足を運ぶことが難しい区分所有者もいるため、オンラインを活用した総会を検討する管理組合もあるでしょう。

マンション総会はオンラインでも開催できますが、会議システムを用意するだけでは十分ではありません。

本人確認や議決権行使、通信障害などについても事前に検討する必要があります。

この記事では、マンション総会をオンラインで開催する方法やメリット・デメリット、開催するときの流れや注意点を解説します。

マンション総会はオンラインでも開催できる

マンション総会はオンラインでも開催できる

マンションの総会では、WEB会議システムなどを活用してオンラインで開催・参加することが可能です。

国土交通省が公表する「ITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A(改訂版)」では、オンラインでの参加について次のように説明しています。

所有者が管理者等(理事長等)や他の区分所有者等と即時的かつ双方向的に映像及び音声を
通信する環境が確保されているのであれば、総会等の会場を訪れた上で総会等に出席する場
合と同様の効力があると考えられており、今般の標準管理規約改正もこの考え方に基づいて
各規定が整備されています(標準管理規約第 38 条関係コメント等)。

出典: 国土交通省「ITを活用した総会・理事会の開催に関するQ&A(改訂版)」

つまり、映像・音声によって即時かつ双方向にやり取りできる環境が確保されていれば、オンラインで参加する方法も総会への出席として扱えると考えられています。

ただし、WEB会議システムによる参加と、インターネットなどを利用して事前に議決権を行使する「電磁的方法」は別のものです。

オンライン総会を検討するときは、参加方法だけでなく、どのように議決権を行使するのかも決めておきましょう。

マンション管理の総会を完全攻略!基礎知識から議事録作成まで解説

マンションのオンライン総会には2つの開催方法がある

マンションのオンライン総会には2つの開催方法がある

マンションのオンライン総会には、大きく分けて「対面とオンラインを併用するハイブリッド型」と「オンラインのみで開催する完全オンライン型」があります。

項目ハイブリッド型完全オンライン型
会場あり原則オンライン
参加方法会場・オンラインオンライン
メリット参加方法を選びやすい会場へ移動する必要がない
主な注意点会場とオンライン双方への対応本人確認・通信環境などへの対応

対面とオンラインを併用するハイブリッド型

ハイブリッド型は、従来どおり会場を用意しながら、希望する区分所有者がオンラインでも参加できる方法です。

会場へ足を運べる人は対面で参加し、遠方に住んでいる人や移動が難しい人はオンラインで参加できます。

また、パソコンやスマートフォンの操作に不慣れな人が会場参加を選べることもメリットです。

一方で、管理組合側は会場とオンラインの双方に対応する必要があります。

オンライン参加者の本人確認や発言、議決権行使の方法などを事前に決め、会場参加者とオンライン参加者のどちらも総会に参加できる環境を整えましょう。

オンラインのみで開催する完全オンライン型

完全オンライン型は、原則として物理的な会場に集まらず、WEB会議システムなどを利用して総会を開催する方法です。

区分所有者が会場まで移動する必要がないため、遠方からでも参加しやすくなります。

ただし、参加者がオンライン環境を用意する必要があり、IT機器の操作に不慣れな区分所有者への配慮も欠かせません。

国土交通省が掲載している「ITを活用した総会の実施ガイドライン」でも、議案の内容や管理組合の規模、IT環境、区分所有者の構成などを踏まえて、各管理組合で開催手法を検討することが望ましいとされています。

マンション総会をオンラインで開催するメリット・デメリット

マンション総会をオンラインで開催するメリット・デメリット

オンライン総会には参加方法の選択肢を広げられるメリットがある一方、通信環境などオンラインならではの課題もあります。

双方を理解したうえで、自分のマンションに適しているか検討しましょう。

オンライン総会のメリット

オンライン総会の大きなメリットは、会場へ移動しなくても参加できることです。

遠方に住んでいる区分所有者や、仕事・家庭の事情などで会場へ足を運びにくい人も、自宅などから参加できます。

ハイブリッド型であれば、区分所有者が状況に応じて会場参加とオンライン参加を選択できる点もメリットです。

また、オンライン総会の導入をきっかけに、総会資料の共有や出欠確認など、総会に関連する業務のデジタル化を検討することもできます。

オンライン総会のデメリット

オンラインで参加するには、インターネット環境やパソコン、スマートフォンなどが必要です。

そのため、IT機器の操作に慣れていない区分所有者にとっては、対面よりも参加のハードルが高くなる可能性があります。

また、総会の途中で音声や映像が途切れたり、WEB会議システムへ接続できなくなったりする可能性も考えておかなければなりません。

本人確認や発言方法、議決権行使の方法についても、オンライン参加者が迷わないよう事前にルールを決めて周知する必要があります。

マンション総会をオンラインで開催する流れ

マンション総会をオンラインで開催する流れ

オンライン総会を開催するときは、管理規約を確認したうえで、利用するシステムや参加方法などを準備します。

当日の進行だけでなく、開催前から終了後までの流れを整理しておきましょう。

管理規約を確認して開催方法を決める

まずは、自分のマンションの管理規約を確認します。

国土交通省のQ&Aでは、ITを活用した総会を開催するための規約改正は「必ずしも必要ない」とされています。

ただし、マンションごとに規約の内容は異なるため、実際にどのような方法で開催できるのかを確認しておくことが大切です。

そのうえで、会場とオンラインを併用するのか、オンラインのみで開催するのかを検討します。

開催方式を決めるときは、管理組合側の都合だけでなく、区分所有者のIT環境や年齢層、オンライン参加への対応状況なども考慮しましょう。

オンライン環境や参加方法を準備する

開催方式を決めたら、WEB会議システムや通信環境などを準備します。

あわせて、下記の項目をなどを決めておきましょう。

  • オンライン参加者の本人確認
  • 総会への接続方法
  • 質問・発言の方法
  • 議決権を行使する方法
  • 通信障害が起きた場合の対応

初めてオンライン総会を開催する場合は、事前に接続テストを実施したり、参加手順をわかりやすく案内したりする方法もあります。

なお、マンション標準管理規約第43条では、WEB会議システム等を用いる場合、総会の招集通知で開催方法を示すこととされています。

総会を開催して議決結果を記録する

総会当日は、参加者を確認してから議案について説明・審議を進めます。

オンライン参加者にも質問や意見を述べる機会を設け、事前に決めた方法で議決権を行使できるようにします。

ここで注意したいのは、オンラインで総会に参加することと、議決権を行使することは同じではない点です。

オンライン参加者がどのような方法で意思を示すのかをあらかじめ決め、適切に集計できるよう準備しておきましょう。

総会終了後は、対面開催の場合と同様に議事録を作成し、決議内容などを記録します。

マンション総会の議事録の書き方とは? 記入例と注意点を解説

マンション総会をオンラインで開催するときの注意点

マンション総会をオンラインで開催するときの注意点

オンライン総会では、対面開催では生じにくいトラブルも想定しておく必要があります。

特に、本人確認・議決権行使・通信障害への対応は開催前に整理しておきましょう。

本人確認と議決権行使の方法を明確にする

オンライン総会では、参加している人が本人であることを確認できる仕組みが必要です。

IDやパスワードなどを利用する場合は、第三者へ安易に共有されないよう取り扱いについても案内しておきましょう。

また、オンライン参加者が議決権を行使する方法も事前に決めます。

WEB会議システム上で意思を確認する場合だけでなく、書面や電磁的方法による議決権行使を組み合わせる場合も考えられます。

参加者が「いつ・どの方法で意思を示せばよいのか」を理解できるよう、招集通知などでわかりやすく案内することが大切です。

通信障害が発生した場合の対応を決めておく

オンライン総会では、通信障害によって参加者が接続できなくなったり、音声や映像が途切れたりする可能性があります。

通信障害が発生してから対応を検討すると、総会の進行が止まってしまうことも考えられます。

どのような場合に総会を一時中断するのか、再接続のためにどの程度待つのかなど、想定されるトラブルへの対応を事前に検討しておきましょう。

管理組合側だけでなく、参加者側の通信環境に問題が生じる可能性もあるため、連絡先や再接続方法を事前に知らせておくと安心です。

オンライン参加が難しい人にも配慮する

区分所有者全員がWEB会議システムやスマートフォンなどを問題なく使えるとは限りません。

オンライン参加が難しい人がいる場合は、ハイブリッド型を採用して会場参加を選べるようにする方法もあります。

また、接続方法を記載した案内を用意したり、事前に操作方法を確認できる機会を設けたりすることも検討しましょう。

オンライン化そのものを目的にするのではなく、区分所有者が総会へ参加し、必要な意思表示ができる環境を整えることが重要です。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

マンション総会はオンラインだけでも開催できますか?

WEB会議システムなどを利用し、オンラインのみで総会を開催する方法もあります。
ただし、即時かつ双方向に映像・音声を通信できる環境の確保や、本人確認、議決権行使などへの対応が必要です。
開催前には自分のマンションの管理規約も確認しましょう。

オンライン総会を開催するには管理規約の変更が必要ですか?

国土交通省のQ&Aでは、ITを活用した総会を開催するための規約改正は必ずしも必要ないとされています。
ただし、各マンションの管理規約の内容によって確認すべき事項は異なります。
現在の規約を確認したうえで開催方法を検討しましょう。

オンライン参加者も議決権を行使できますか?

オンライン参加者が議決権を行使することは可能ですが、意思を確認できる方法をあらかじめ決めておく必要があります。
国土交通省掲載のガイドラインでは、画面を通じた挙手などについて、管理組合内で協議し、意思確認を担保できるルールを設けることが望ましいとされています。
書面や電磁的方法による議決権行使を利用する場合も、それぞれの方法に応じて対応しましょう。

オンライン総会で通信障害が起きたらどうなりますか?

通信障害の影響は、発生した状況や参加できなくなった人数などによって異なります。
そのため、通信障害が起きた場合の対応を開催前に決めておくことが重要です。
国土交通省掲載のガイドラインでも、多くのオンライン出席者が参加できなくなった場合の対応について、あらかじめ管理組合内で協議しておくことが望ましいとされています。

オンライン総会は事前準備を整えて開催しよう

オンライン総会は事前準備を整えて開催しよう

マンション総会は、WEB会議システムなどを活用してオンラインで開催できます。

対面とオンラインを併用するハイブリッド型と、オンラインのみで開催する方法があるため、区分所有者の状況やIT環境などを踏まえて適した方法を検討しましょう。

また、オンライン総会では、本人確認や議決権行使、通信障害への対応を事前に決めておくことが大切です。

単に総会をオンライン化するのではなく、区分所有者が参加しやすく、適切に意見や意思を示せる環境を整えることが円滑な総会運営につながります。

マンション総会の委任状の書き方|5つの記載事項と代理人の選び方

著者

クラウド管理編集部

関連記事/ Related