この記事の要点
- マンションの立地は駅からの距離だけでなく、買い物・交通・医療など生活の便利さも重要
- 駅から遠い物件でも、周辺環境やターゲットに合った魅力があれば入居につながる可能性がある
- 家賃を下げる前に、物件の立地の強みを整理し、募集条件や設備で魅力を伝えることが大切
マンション経営では「駅徒歩○分」という情報が、物件の魅力を判断する大きな材料になります。
駅から近いほど便利というイメージがあるため、駅から10分、15分と離れた物件では、空室が心配になるオーナーも多いでしょう。
しかし、駅から遠いマンションでも、必ずしも入居が決まりにくいとは限りません。
実際には、買い物のしやすさやバスの利用環境、周辺の静かさなど、駅距離以外の条件も住まい選びに影響します。
国土交通省の「住生活総合調査」では、住まいの立地で重視する項目として「日常の買い物など、生活の利便性が高いこと」が21.8%、「駅などの公共交通施設に近いこと」が9.3%となっています。
この記事では、駅から遠くても入居者に選ばれやすいマンションの立地条件と、オーナーが確認したいポイントを解説します。
マンションの立地は「駅から何分」だけではない

マンションの立地を考えるとき、駅から徒歩何分かだけで判断するのはおすすめできません。
例えば駅から徒歩15分のマンションでも、徒歩5分以内にスーパーがあり、徒歩3分にバス停があれば、日常生活では便利な物件として評価される可能性があります。
反対に駅から徒歩5分でも、周辺にスーパーやコンビニが少なく、買い物のたびに別のエリアまで移動する必要があれば、入居者によっては不便に感じるでしょう。
国土交通省の調査でも、立地で最も重視する項目は「住み慣れた場所であること」が27.7%で、「日常の買い物など、生活の利便性が高いこと」が21.8%、「駅などの公共交通施設に近いこと」が9.3%でした。
つまり、駅への近さは重要な条件の一つですが、それだけが立地の価値ではありません。
駅から遠くても評価されやすい立地の条件

駅距離を補う立地の魅力には、さまざまなものがあります。
オーナーは「駅から遠い」という弱点だけを見るのではなく、周辺環境を細かく確認してみましょう。
| 立地の条件 | オーナーが確認したいポイント | アピール例 |
|---|---|---|
| 買い物環境 | スーパー・ドラッグストアまでの距離 | 「スーパー徒歩5分」 |
| 交通アクセス | バス停・運行本数・駅までの所要時間 | 「バス停徒歩3分」 |
| 医療環境 | 病院・クリニック・薬局の有無 | 「クリニック徒歩6分」 |
| 教育環境 | 保育園・幼稚園・学校までの距離 | 「小学校徒歩8分」 |
| 飲食・生活施設 | コンビニ・飲食店・銀行など | 「コンビニ徒歩2分」 |
| 住環境 | 公園、騒音、周辺の雰囲気 | 「落ち着いた住環境」 |
| 自転車環境 | 駐輪場や駅・商業施設へのアクセス | 「敷地内駐輪場あり」 |
例えばファミリー向けのマンションなら、スーパーや学校、病院、公園などが近いことが強みになります。
一方、単身者向けなら、コンビニや飲食店、バス便、通勤先へのアクセスなどが重要になる場合があります。
「誰に住んでもらいたいか」を考え、そのターゲットにとって便利な立地かどうかを確認することが大切です。
駅から遠い物件は「交通手段」を確認する

駅から距離があるマンションでは、駅までの移動手段が重要になります。
特に確認したいのがバスです。
バス停まで徒歩何分かだけでなく、駅までの所要時間、運行本数、朝夕の混雑、最終便の時間なども確認しましょう。
例えば、駅徒歩15分でもバス停が徒歩2〜3分で、駅までのバス便が利用しやすければ、駅からの距離をある程度カバーできる可能性があります。
自転車を利用する人が多い地域なら、駐輪場も重要です。駐輪スペースが十分に確保されているか、駅やスーパーまで安全に移動できる道路があるかも確認しておきましょう。
ただし、「自転車で駅まで5分」などの表示をする場合は、実際の道路を確認したうえで、無理のない所要時間を案内することが必要です。
周辺施設を「徒歩○分」まで具体的に調べる

駅から遠い物件ほど、周辺環境を具体的に把握しておくことが大切です。
「スーパーが近い」という説明だけではなく、マンションから実際に何分かかるのかを確認しましょう。
例えば、
・スーパー徒歩4分
・コンビニ徒歩2分
・ドラッグストア徒歩6分
・バス停徒歩3分
・クリニック徒歩7分
というように整理すれば、入居希望者にも生活のイメージが伝わりやすくなります。
また、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産取引価格や地価だけでなく、学校、医療機関、防災情報、都市計画などの情報を確認できます。
オーナー自身が物件周辺の情報を調べる際にも活用できるため、募集を始める前に一度確認しておくとよいでしょう。
「駅から遠い」を家賃だけで補う必要はない

駅から遠いマンションで空室が発生すると、「家賃を下げたほうがいいのでは」と考えることがあります。
もちろん、周辺相場と比べて賃料が高い場合は見直しが必要になる可能性があります。
しかし、駅距離だけを理由に、すぐ家賃を下げるのは慎重に考えたいところです。
まずは近隣の競合物件と比較してみましょう。
比較するポイントは、家賃だけではありません。
- 築年数
- 間取り・専有面積
- 駅までの距離
- スーパーなど周辺施設
- 宅配ボックスや無料Wi-Fiなどの設備
- 駐車場・駐輪場
- 建物や共用部分の管理状態
例えば駅から徒歩15分でも、競合物件より広く、設備が充実していて、スーパーも近いのであれば、単純に「駅から遠いから安くする」という必要はないかもしれません。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格などを確認できるため、周辺相場を調べる際にも役立ちます。
立地の弱点は「物件の魅力」とセットで伝える

駅から遠い物件は、募集広告の見せ方も重要です。
「駅徒歩15分」とだけ掲載すると、駅距離が弱点として目立ってしまいます。
そこで、「スーパー徒歩5分」「バス停徒歩3分」「敷地内駐輪場あり」など、生活上のメリットも具体的に伝えます。
さらに、宅配ボックス、無料Wi-Fi、浴室乾燥機など、ターゲットに合った設備を整えることも選ばれるための方法の一つです。
ただし、設備投資には費用がかかります。
導入する場合は、周辺の競合物件にどのような設備があるのかを確認し、入居者ニーズや費用対効果を考えて判断しましょう。
立地そのものは変えられませんが、「駅から遠い代わりに、このマンションにはこんなメリットがある」と伝えることはできます。
よくある質問

駅から徒歩15分以上のマンションでも入居者は見つかりますか?
入居者が見つかる可能性はあります。駅距離だけでなく、スーパーやバス停、医療機関など周辺環境も物件選びの判断材料になるためです。国土交通省の住生活総合調査でも、立地で重視する項目は駅への近さだけではありません。ターゲットに合わせて、駅から遠いことを補う魅力を整理することが大切です。
マンションの立地では駅近と買い物の便利さのどちらが重要ですか?
一概にどちらが重要とはいえません。国土交通省の調査では、「日常の買い物など、生活の利便性が高いこと」が21.8%、「駅などの公共交通施設に近いこと」が9.3%でした。単身者やファミリーなど、入居者の属性によって重視する条件も変わるため、ターゲットを明確にして判断しましょう。
駅から遠いマンションの空室対策は何がありますか?
まずはスーパーやバス停など、物件周辺のメリットを具体的に洗い出しましょう。そのうえで、宅配ボックスや無料Wi-Fi、駐輪場など、ターゲットに合った設備を検討する方法があります。家賃を下げる場合も、周辺の競合物件や現在の募集条件を比較してから判断することが重要です。
マンションの立地を調べるときに便利な情報源はありますか?
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」が活用できます。地価や不動産取引価格のほか、学校、医療機関、防災情報、都市計画などを確認できます。駅からの距離だけでは分からない周辺環境を調べることで、物件の強みや注意点を整理しやすくなります。
まとめ

マンションの立地は、駅から徒歩何分かだけで決まるものではありません。
買い物、交通、医療、教育、住環境など、入居者が日常生活で利用する環境も重要な判断材料になります。
駅から遠い物件でも、ターゲットに合った立地の魅力を見つけ、募集広告や設備で分かりやすく伝えることで、選ばれる可能性があります。
空室対策を考えるときは、まず「駅から遠い」という弱点だけを見るのではなく、「この物件だから選ばれる理由」を探してみましょう。


