この記事の要点
- 投資マンションが売却できない主な理由には、オーバーローンやサブリース契約、価格設定などがある
- 売却価格の見直しや不動産会社の変更、売却時期の調整などにより、売却できる可能性が高まる
- ローン残債や売却費用を事前に確認し、自分に合った売却方法を選ぶことが大切
投資マンションは居住用マンションと比べて購入希望者が限られるため、売却が思うように進まないことがあります。
しかし、売却できない原因を把握し、適切な対策を講じることで売却できる可能性は十分にあります。
この記事では、投資マンションが売却できない主な理由や売却しやすくするための対策、ローン残債がある場合の対処法、売却前に確認しておきたいポイントを解説します。
投資マンションは本当に売却できない?

「投資マンションは売却できない」と耳にすることがありますが、実際にはすべての物件が売れないわけではありません。
まずは、「マンションが売却できない」と「売却しにくい」のいわれる理由を紹介します。
投資マンションが売却しにくいといわれる理由
投資マンションは家賃収入を目的として購入されるため、購入を検討する人は投資家が中心です。
そのため、居住用マンションよりも購入希望者が少なく、売却まで時間がかかることがあります。
また、購入希望者は物件価格だけでなく、利回りや入居率、管理状況、将来の収益性なども重視するため、条件によっては購入を見送られることもあり、一般的なマンションより売却の難易度が高くなる傾向があります。
売却できないケースと売却しにくいケースの違い
「投資マンションが売却できない」と感じていても、実際には条件を見直すことで売却できるケースは少なくありません。
例えば、売り出し価格が相場より高い、売却時期が適切ではない、不動産会社の販売方法が物件に合っていないといったケースは、「売却しにくい」状態であり、価格や販売戦略を見直すことで買い手が見つかる可能性があります。
一方で、売却価格よりもローン残債が多いオーバーローンの状態や、権利関係に問題がある場合は、すぐに売却することが難しいケースもあります。
このような場合は、不足分の資金を準備したり、任意売却を検討したりするなど、状況に応じた対応が必要です。
投資マンションが売却できない主な理由

投資マンションが売却できない背景には、物件そのものの条件だけでなく、価格設定やローンの状況、売却方法などさまざまな要因があります。
原因によっては対策を講じることで売却につながるケースもあるため、まずは何が売却を妨げているのかを確認しましょう。
| 売却できない理由 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| オーバーローン | 売却価格がローン残債を下回る | 自己資金の準備や任意売却を検討する |
| サブリース契約 | 契約条件が買主の負担になる | 契約内容を確認し、必要に応じて見直す |
| 相場より高い価格設定 | 買い手が集まりにくい | 査定価格を参考に価格を見直す |
| 買い手が限られる | 投資家向け物件のため需要が限定される | 投資用物件に強い不動産会社へ依頼する |
| 空室や管理状況 | 収益性や資産価値が低く見られる | 空室対策や管理状況の改善を行う |
| 売却時期 | 市場動向や需要と合っていない | 市況を見ながら売却時期を再検討する |
売却を急ぐ必要がない場合は、市場動向や周辺相場を確認しながらタイミングを見直すことも有効な方法です。
投資マンションを売却するための対策

投資マンションが売却できない場合でも、原因に応じた対策を講じることで買い手が見つかる可能性があります。
ここでは、売却につながりやすくなる主な対策を紹介します。
売却価格を見直す
売り出し価格が相場より高い場合は、価格を見直すことで問い合わせや内覧が増える可能性があります。
投資家は利回りを重視して物件を比較するため、価格が相場とかけ離れていると候補から外されることも少なくありません。
売却価格を決める際は、査定価格だけでなく、周辺の成約事例や競合物件の価格も参考にしながら設定しましょう。
不動産会社を変更する
不動産会社によって、得意とする物件や販売ルートは異なります。
投資用マンションの売買実績が少ない会社では、購入希望者へ十分に情報が届かず、売却まで時間がかかることもあります。
一定期間売却活動を続けても反響が少ない場合は、投資用物件を得意とする不動産会社への変更を検討してみましょう。
空室対策や管理状況を改善する
空室が続いている場合は、入居率を改善することで物件の収益性をアピールしやすくなります。
また、共用部分の清掃状況や設備の管理状態も購入希望者が確認するポイントです。
売却前に改善できる部分があれば対応しておくことで、物件の印象が良くなり、購入を検討してもらいやすくなるでしょう。
売却時期を見直す
売却を急ぐ必要がない場合は、市場動向を見ながらタイミングを調整する方法もあります。
周辺で競合物件が多く売り出されている時期や、不動産市場が停滞している時期は、希望価格で売却しにくくなることがあります。
不動産会社と相談しながら市場の状況を確認し、売却しやすいタイミングを見極めることが大切です。
不動産会社による買取を検討する
早期に手放したい場合は、不動産会社による買取を利用する方法もあります。
仲介よりも売却価格は低くなる傾向がありますが、買い手を探す必要がないため、短期間で売却できる可能性があります。
「ローン返済の負担を早く減らしたい」「現金化を急ぎたい」といった場合には、有力な選択肢となるでしょう。
ローン残債がある投資マンションを売却する方法

投資マンションは、ローンが残っている状態でも売却できます。
ただし、売却価格とローン残債の関係によって手続きや必要な対応が異なるため、事前に状況を確認しておくことが大切です。
アンダーローンの場合
アンダーローンとは、売却価格がローン残債を上回る状態です。
例えば、売却価格が2,500万円でローン残債が2,000万円の場合、売却代金でローンを完済でき、残った資金を受け取れます。
一般的な不動産売却と同じ流れで進められるため、比較的スムーズに売却しやすいケースです。
オーバーローンの場合
オーバーローンとは、売却価格がローン残債を下回る状態を指します。
例えば、売却価格が1,800万円でローン残債が2,100万円の場合、不足する300万円を自己資金などで補わなければ、原則としてローンを完済できません。
そのため、まずは複数の不動産会社へ査定を依頼し、実際の売却価格を把握したうえで資金計画を立てることが重要です。
任意売却を検討するケース
自己資金で不足分を補えず、ローンの返済が難しい場合は、任意売却を検討する方法もあります。
任意売却とは、金融機関の同意を得て、ローンが残っている不動産を売却する方法です。
競売よりも市場価格に近い価格で売却できる可能性があり、売却後の返済方法について金融機関と相談できる場合もあります。
ただし、任意売却には金融機関との交渉が必要になるため、実績のある不動産会社や専門家へ早めに相談することが大切です。
投資マンションを売却する前に確認したいポイント

投資マンションの売却をスムーズに進めるためには、売却活動を始める前の準備が重要です。
ここからは、投資マンションを売却する前のチェックポイントを紹介します。
ローン残債と売却価格を確認する
売却を検討する際は、ローン残債と売却価格を比較することが最初のポイントです。
査定価格がローン残債を上回るアンダーローンであれば、売却代金でローンを完済できる可能性があります。
一方、オーバーローンの場合は、不足分を自己資金で補わなくてはいけません。
現在のローン残高は返済予定表や金融機関への問い合わせで確認できるため、査定結果とあわせて資金計画を立てましょう。
売却費用や税金を把握する
投資マンションの売却では、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
主な費用には、不動産会社へ支払う仲介手数料や抵当権抹消登記費用、印紙税などがあります。
また、売却によって利益(譲渡所得)が発生した場合は、譲渡所得に対して税金が課税されます。
国税庁によると、土地や建物の譲渡所得は給与所得などとは区分して計算する「分離課税」の対象であり、所有期間が売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかによって、長期譲渡所得または短期譲渡所得に区分され、適用される税率も異なります。(出典:国税庁)
売却後に「想定より手元資金が少なかった」とならないよう、売却費用だけでなく、税金も含めて事前に資金計画を立てておくことが大切です。
複数の不動産会社へ査定を依頼する
査定価格は、不動産会社によって異なる場合があります。
1社だけの査定では価格が適正か判断しにくいため、複数社へ査定を依頼して比較することがおすすめです。
また、査定価格だけで判断するのではなく、投資用マンションの売却実績や販売方法、担当者の対応なども確認すると、自分に合った不動産会社を選びやすくなります。
よくある質問(FAQ)

投資マンションはローンが残っていても売却できますか?
売却価格でローンを完済できるアンダーローンであれば、一般的な不動産売却と同じ流れで手続きを進められます。
一方、売却価格よりローン残債が多いオーバーローンの場合は、不足分を自己資金で補う、または金融機関と相談のうえ任意売却を検討する必要があります。
投資マンションが売れない場合は価格を下げるしかありませんか?
不動産会社の変更や売却時期の見直し、空室対策、物件の管理状況の改善などによって売却につながるケースもあります。
また、投資用マンションの売却実績が豊富な不動産会社へ相談することで、新たな購入希望者にアプローチできる可能性もあります。
売れない原因を把握したうえで、複数の対策を検討することが重要です。
投資マンションを売却すると税金はかかりますか?
税額は取得費や譲渡費用、所有期間などによって異なります。
所有期間が5年を超えるかどうかで適用される税率も変わるため、事前に確認しておくことが大切です。売却後の資金計画を立てるためにも、必要に応じて税理士へ相談することをおすすめします。
投資マンションが売却できないときは状況に合った対応を検討しよう

投資マンションは「売却できない」といわれることがありますが、実際には価格設定やローン残債、サブリース契約、売却方法など、さまざまな要因が影響しています。
売却が思うように進まない場合でも、原因を把握したうえで適切な対策を講じることで、売却できる可能性は十分にあります。
また、ローン残債や税金、売却費用を事前に確認し、複数の不動産会社へ査定を依頼することも重要です。
希望どおりの条件で売却するためにも、現状を整理し、自分に合った売却方法を検討しながら進めましょう。


