マンションのインターホン交換費用は誰が負担?相場と進め方を解説

マンションのインターホン交換費用は誰が負担?相場と進め方を解説

この記事の要点

  1. 交換費用は戸あたり10〜18万円
  2. 費用負担は共用部か専有部かで決まる
  3. 交換の目安は設置から15年

マンション管理でインターホンの交換費用に悩む理事の方は少なくありません。

突然の故障で数百万円規模の話になると戸惑う方が多いです。費用の相場も、誰が払うのかも、進め方も、先に押さえれば落ち着いて対応できます。

この記事では、相場と費用を負担する人、交換時期、規約に沿った段取りまで解説します。

読み終えるころには、根拠を持って判断できるようになるはずです。

マンションのインターホン交換にかかる費用と負担者

インターホンの交換費用は、戸あたり10〜18万円が一般的な相場です。

また、費用を払うのが管理組合か個人かは、その設備が共用部か専有部かで決まります。まず総額の目安をつかみ、次に負担のしくみを理解しておくと安心です。

ここでは相場と負担の考え方を、順を追って整理します。

交換費用は戸あたり10〜18万円が相場

交換費用は本体の機能や戸数によって変わります。

モニターだけの簡素な機種は安く、録画やスマホ連動が付くと高くなる傾向です。全戸を一斉に交換するなら、戸数が増えるほど総額も膨らみます。

戸数別の総額の目安は、下の表のとおりです。

戸数 総額の目安
20戸 約200万〜360万円
50戸 約500万〜900万円
100戸 約1,000万〜1,800万円

あくまで目安のため、正確な金額は複数の業者から見積もりを取って確かめるのが賢明です。

費用を負担するのは管理組合か区分所有者か

費用を負担する人は、壊れた設備が共用部か専有部かで分かれます。

共用部とは、エントランスの集合玄関機や、壁の中を通る共用の配線を指す部分です。所有者全員の財産にあたるため、修繕費は管理組合が負担します。

住戸の中の親機や玄関わきの子機は、専有部にあたります。専有部の故障は、その住戸の所有者(区分所有者)が自分で費用を出すのが原則です。

判断のもとになるのは、建物の区分所有等に関する法律と各マンションの管理規約です。迷ったときは、自分で業者を呼ぶ前に管理規約を確かめましょう。

交換の時期と管理規約に沿った進め方

インターホンの交換の目安は、設置からおよそ15年です。

時期が近づいたら、規約を確認しながら計画的に進めるのが安全です。あわてて個別に動くと、費用負担や住民間のトラブルにつながりかねません。

交換の目安は設置から15年

交換の目安は、設置からおよそ15年とされています。

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、更新周期を15年としています。年数が過ぎると、呼び出しても音声が通じない不具合が増えていきます。

部品の保有期間は生産終了後7〜10年が目安です。期間を過ぎると修理用の部品が手に入らず、直したくても直せません。

不具合が出はじめたら、修理で粘るより一斉交換を考える時期です。

出典:国土交通省「長期修繕計画標準様式 長期修繕計画作成ガイドライン」

管理規約を確認し報告から工事まで進める

個別に進める前に、まず管理規約で設備の区分と手続きを確かめます。 共用部の一斉交換は、次の流れで進めるのが基本です。

  • 故障の状況を把握し、対象が共用部か専有部かを規約と照らし合わせる
  • 理事会で、修理か一斉交換かの方針を決める
  • 業者3社ほどから見積もりを取り、内容と金額を比べる
  • 総会に議案を出し、区分所有者及び議決権の各過半数の賛成(普通決議)で承認を得る
  • 工事日程を住民に知らせ、立ち会いを調整して実施する

見積もりは金額だけでなく、工事の範囲や保証の有無もそろえて比べると失敗を防げます。

よくある質問(FAQ)|インターホン交換の疑問を解決

交換を検討する中でよく出る疑問を、結論からお答えします。

個別に1戸だけ交換できる?

原則としてできません。集合玄関機と連動する集合住宅システムでは、各住戸の機器と互換性が必要なためです。住戸完結システムでも、規約で制限される場合が多いです。まず管理規約を確認し、管理組合に相談しましょう。

交換工事は何日かかる?

規模によりますが、全戸一斉でおおむね1週間が目安です。共用部の作業に数日、専有部の住戸内作業に数日かかります。日数は戸数や機種、配線の状態によって前後する点に注意が必要です。正確な日数は、業者の現地調査のあとに確認できます。

大規模修繕と同時に行うべき?

時期が近いなら、同時に行うのがおすすめです。外壁工事などで足場を組むとき、あわせて作業すれば足場の費用が一度で済みます。工事車両や騒音による住民への負担も、まとめて減らせる利点があります。長期修繕計画の段階で交換の周期を合わせるのが、賢い進め方です。

機種のタイプ別にみる費用と機能の違い

戸あたり10〜18万円という相場に幅があるのは、選ぶ機種のグレードによる部分が大きいためです。どこまでの機能が必要かを先に決めると、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。

機種タイプ戸あたりの目安主な機能
音声のみ(モニターなし)5万〜8万円呼び出し・通話・オートロック解錠
カラーモニター付き(標準)10万〜14万円上記+来訪者の映像確認
録画機能付き13万〜16万円上記+不在時の自動録画
スマートフォン連動型15万〜20万円上記+外出先での応答・宅配業者対応

賃貸としての競争力を考えると、単身者向け物件では録画機能付き、ファミリー向けではスマートフォン連動型を選ぶ例が増えています。再配達の削減につながるため、入居者の満足度に直結しやすい設備です。

一方で、既存の配線をそのまま使えるかどうかで工事費が変わります。スマートフォン連動には集合玄関機側のネットワーク接続が必要なため、光回線の引き込みがない建物では別途工事費が発生する可能性があります。見積依頼時に配線調査を含めてもらうと、後からの追加請求を避けられます。

故障のサインと交換判断の目安

設置から15年という周期はあくまで目安で、実際には不具合の出方で判断することになります。以下の症状が複数の住戸で同時期に出はじめたら、個別修理ではなく一斉交換の検討時期です。

  • 呼び出し音が鳴らない、または断続的にしか鳴らない住戸が複数ある
  • 通話時に雑音が入る、相手の声が聞き取りにくい
  • モニター画面が暗い、色がにじむ、映らない時間帯がある
  • オートロックの解錠操作に反応しないことがある
  • 集合玄関機のボタンの印字が消えかけている
  • メーカーに問い合わせて修理部品の在庫がないと回答された

判断の分かれ目になるのが、年間の修理費の累計です。1戸あたりの修理費が2万〜4万円かかる状況で年間5戸以上の対応が発生しているなら、交換に踏み切ったほうが総額を抑えられる場合があります。管理会社に過去3年分の修理履歴を出してもらい、件数の推移を確認してみてください。

なお、集合玄関機が故障してオートロックが機能しなくなると、防犯性の低下により入居者からの解約や賃料減額の申し出につながる可能性があります。共用部の設備であるぶん、放置した場合の影響範囲が広い点は意識しておくべきでしょう。

まとめ|費用と段取りを押さえて落ち着いて判断

マンションのインターホン交換は、費用の相場と負担のしくみ、そして進め方を押さえれば、落ち着いて判断できます。

交換費用は戸あたり10〜18万円が相場で、全戸一斉なら戸数に応じて総額が膨らみます。費用を払うのが管理組合か個人かは、壊れた設備が共用部か専有部かで決まる点が重要です。

交換の目安は設置から15年で、部品の保有期間も近づけば一斉交換を考える時期になります。進めるときは、理事会で方針を決め、3社ほどから見積もりを取り、総会で承認を得る順が基本です。

この順を守ると、住民間のトラブルを防ぎやすくなります。不具合に気づいたら、自分で業者を呼ぶ前に、まず管理組合へ報告して相談しましょう。

段取りを先に整えておけば、突然の故障にもあわてず対応でき、住民の安心を守れます。

著者

クラウド管理編集部

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