この記事の要点
- 不動産投資ローンの金利相場は1.0〜7.0%。金融機関の種類で大きく異なる
- 下限金利だけで選ぶと「融資期間」「団信」「審査基準」で損をする可能性がある
- 低金利で借りるには自己資金・属性・物件評価・複数比較の4点が鍵
不動産投資では、物件選びだけでなくローン選びが収益性を左右する重要な要素です。金利がわずか0.5%違うだけでも、総返済額やキャッシュフローは大きく変わります。たとえば1億円を25年返済で借りた場合、金利1.5%と2.0%では総返済額に約700万円もの差が生じます。
だからこそ、金融機関ごとの特徴や融資条件を比較しながら選ぶ必要があります。この記事では、不動産投資ローンの金利ランキングを紹介するとともに、金利相場、固定金利・変動金利の違い、低金利で借りるコツ、そして金利だけで選んではいけない理由まで網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 不動産投資ローン金利ランキング上位5社の特徴- 不動産投資ローン金利の相場と金融機関ごとの違い- 変動金利・固定金利のメリット・デメリット- 低金利で不動産投資ローンを借りる4つのコツ- 金利以外に必ず確認すべき融資条件
不動産投資の収益性を高めるために、自分に合った金融機関を見つけましょう。
不動産投資ローン金利ランキング

金利は毎月の返済額や総返済額に大きく影響するため、できるだけ低金利の金融機関を選びたいと考える方も多いでしょう。ここでは、公開されている金利情報をもとに、不動産投資ローンの金利ランキング(下限金利順)を紹介します。
| 順位 | 金融機関 | 金利(目安) | 金融機関の種類 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京スター銀行 | 1.5%~ | 地方銀行系 |
| 2位 | 京葉銀行 | 1.85%~ | 地方銀行 |
| 3位 | アサックス | 1.95%~ | ノンバンク |
| 4位 | AGビジネスサポート | 2.49%~ | ノンバンク |
| 5位 | みなと銀行 | 2.55%~ | 地方銀行 |
※上記は各金融機関が公表している下限金利の目安であり、2024年時点の公開情報に基づきます。実際の適用金利は申込時期や条件により変動します。最新の金利は各金融機関の公式サイトで必ずご確認ください。
ランキング上位社の特徴
- 東京スター銀行:比較的低金利からのスタートが魅力。属性や物件評価次第で有利な条件を引き出しやすい- 京葉銀行:千葉県を中心とした地域密着型。営業エリア内の物件で柔軟な対応が期待できる- アサックス:不動産担保ローンに強いノンバンク。審査スピードが速く、銀行融資が難しいケースで活用される- AGビジネスサポート:事業性融資にも対応し、スピーディーな審査が特徴- みなと銀行:兵庫県を地盤とする地方銀行。地域の不動産事情に精通している
注意したいのは、上記の金利はあくまで各金融機関が公表している「下限金利」である点です。実際の適用金利は、借入額・自己資金の割合・申込者の属性(年収や勤務先、信用情報)・物件の評価などによって変わります。
また、金利が低いからといって必ずしも有利とは限りません。融資期間が短かったり、審査基準が厳しかったりするケースもあるため、金利だけでなく総合的な条件を比較することが重要です。詳しくは後半の「金利だけで選ばない方が良い理由」で解説します。
不動産投資ローン金利の相場

不動産投資ローンの金利相場は、金融機関の種類や借入者の属性、購入する物件の条件によって大きく異なります。一般的には、金融機関ごとに以下のような金利水準が目安とされています。
| 金融機関の種類 | 金利相場 | 審査の厳しさ | 融資スピード |
|---|---|---|---|
| メガバンク | 1.0〜2.0%程度 | 厳しい | やや遅い |
| 地方銀行・信用金庫 | 1.5〜4.5%程度 | 普通〜やや厳しい | 普通 |
| ネット銀行 | 1.5〜4.5%程度 | 普通 | 速い |
| ノンバンク | 3.0〜7.0%程度 | 柔軟 | 速い |
メガバンク(金利1.0〜2.0%程度)
メガバンクは比較的低金利で融資を受けられるのが大きな魅力です。一方で審査基準は厳しく、安定した収入・十分な自己資金・良好な資産背景などが重視されます。一般的に年収700万円以上、自己資金2〜3割程度が一つの目安とされることが多いです。
地方銀行・信用金庫(金利1.5〜4.5%程度)
地域密着型の金融機関が多く、営業エリア内の物件であれば柔軟な融資対応を受けられる場合があります。物件の所在地や、申込者が地域に住んでいるかどうかが審査に影響することもあります。
ネット銀行(金利1.5〜4.5%程度)
ネット銀行は比較的低金利の商品を提供しているケースがあり、手続きもオンラインで完結しやすいのが特徴です。ただし、一定以上の属性や資産背景が求められることも少なくありません。
ノンバンク(金利3.0〜7.0%程度)
ノンバンクは金利相場が高めですが、銀行と比較して審査が柔軟な傾向があります。融資スピードを重視したい場合や、銀行融資が難しいケースで利用されることが多いです。金利が高い分、出口戦略(売却や借り換え)をあらかじめ想定しておくことが重要です。
不動産投資ローンの金利タイプ

不動産投資ローンの金利タイプには、大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分の投資スタイルやリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。
| 項目 | 変動金利 | 固定金利 |
|---|---|---|
| 金利水準 | 低い傾向 | 変動より高め |
| 金利上昇リスク | あり | なし(固定期間中) |
| 返済計画 | 立てにくい | 立てやすい |
| 向いている人 | 短期保有・金利上昇に対応できる人 | 長期保有・安定重視の人 |
変動金利の特徴
変動金利は、市場金利の動向に応じて返済期間中に金利が見直されるタイプです。一般的に固定金利よりも低い水準でスタートできるため、当初の返済負担を抑えやすいのがメリットです。
- メリット:固定金利より低金利でスタートでき、初期のキャッシュフローを確保しやすい- デメリット:金利が上昇すると返済額が増え、収支が悪化するリスクがある- 向いている人:短期での売却を想定する人、金利上昇時に繰り上げ返済できる資金的余裕がある人
多くの不動産投資家が変動金利を選んでいますが、金利上昇局面では返済額が増えるリスクを必ず織り込んでおく必要があります。
固定金利の特徴
固定金利は、一定期間または全返済期間にわたって金利が変わらないタイプです。変動金利よりやや高めの金利になりますが、返済額が一定で資金計画を立てやすいのが最大の魅力です。
- メリット:金利上昇の影響を受けず、長期的な収支シミュレーションが正確に立てられる- デメリット:変動金利より金利が高く、金利が下がっても恩恵を受けにくい- 向いている人:長期保有を前提とする人、金利変動リスクを避けたい安定志向の人
「全期間固定」「当初10年固定」など金融機関によって固定期間は異なります。固定期間終了後にどの金利が適用されるかも、事前に必ず確認しておきましょう。
不動産投資ローンを低金利で借りるコツ

同じ物件でも、申込者の準備次第で適用金利は変わります。ここでは、不動産投資ローンを少しでも低金利で借りるための4つのコツを解説します。
自己資金を用意する
自己資金を多く用意するほど、金融機関にとっての貸し倒れリスクが下がり、低金利が適用されやすくなります。一般的に物件価格の1〜3割の自己資金があると審査で有利に働きやすいとされています。
たとえば自己資金を多めに入れて借入額を抑えれば、総返済額・毎月返済額ともに軽減でき、キャッシュフローの安定にもつながります。
年収や信用情報など属性を整える
金融機関は申込者の「属性」を重視します。属性とは、年収・勤務先・勤続年数・保有資産・信用情報などの総合的な評価です。以下のポイントを意識しましょう。
- カードローンやリボ払いの残債を減らす・解消する- クレジットカードやローンの延滞履歴を作らない- 転職直後の融資申込は避け、勤続年数を確保する- 他社借入を整理し、返済比率を下げる
信用情報に傷があると、金利が高くなるだけでなく融資自体が難しくなることもあるため、申込前に整えておくことが重要です。
資産価値の高い物件を選ぶ
金融機関は物件を担保として評価するため、資産価値の高い物件ほど好条件で融資を受けやすい傾向があります。具体的には以下のような物件が評価されやすいです。
- 駅近など立地の良い物件- 築年数が浅い、または耐震性の高い物件- 入居需要が安定しているエリアの物件- 法定耐用年数が残っている構造(RC造など)
担保評価が高ければ、融資金額や融資期間の面でも有利になりやすく、結果的に金利交渉の余地も広がります。
複数の金融機関を比較する
金利や融資条件は金融機関によって大きく異なります。1社だけで決めず、必ず複数の金融機関を比較しましょう。比較の際は以下の点をチェックします。
- 適用金利(下限ではなく実際に提示される金利)- 融資期間と借入可能額- 団体信用生命保険(団信)の内容- 繰り上げ返済の手数料や条件- 事務手数料・保証料などの諸費用
不動産会社が提携している金融機関を紹介してもらえるケースもあります。自分で探すルートと提携ルートの両方を比較すると、より良い条件を引き出しやすくなります。
金利だけで不動産投資ローンを選ばない方が良い理由

金利は確かに重要ですが、それだけで金融機関を選ぶと思わぬ落とし穴にはまることがあります。ここでは、金利以外に必ず確認すべき3つのポイントを解説します。
融資期間による収益への影響
融資期間は、毎月のキャッシュフローに直結します。金利が低くても融資期間が短いと、毎月の返済額が大きくなり、手元に残るキャッシュフローが圧迫されてしまいます。
| 条件 | 金利2.0%・20年 | 金利2.5%・30年 |
|---|---|---|
| 借入額 | 1億円 | 1億円 |
| 毎月返済額(概算) | 約50.6万円 | 約39.5万円 |
※元利均等返済での概算。上の表のように、金利が高くても融資期間が長い方が毎月の返済負担は軽くなる場合があります。総返済額と月々のキャッシュフローの両面で比較することが大切です
「金利が低い=有利」と単純に判断せず、自分の投資戦略に合った融資期間を設定することが重要です。キャッシュフローを重視するなら長めの融資期間、総返済額を抑えたいなら短めの融資期間というように、目的に応じて選びましょう。
団体信用生命保険(団信)の内容
団体信用生命保険(団信)は、ローン契約者に万が一のことがあった場合に、残りのローンが保険金で完済される仕組みです。金融機関によって団信の内容には差があり、以下のような違いがあります。
- 金利に団信保険料が含まれているか、別途上乗せされるか- がん保障や三大疾病保障などの特約が付帯できるか- 団信加入が必須か任意か
一見金利が低く見えても、団信保険料が別途上乗せされる場合は、実質的な負担が大きくなることがあります。逆に、金利は少し高くても手厚い保障が付いていれば、万が一の備えとして安心です。表面的な金利だけでなく、団信を含めた実質的なコストで比較しましょう。
諸費用や繰り上げ返済の条件
ローンを組む際には、金利以外にもさまざまな費用が発生します。これらを軽視すると、想定よりも総コストが膨らんでしまう可能性があります。
- 事務手数料(定額型または借入額の数%)- 保証料(一括前払い型または金利上乗せ型)- 印紙税・登記費用- 繰り上げ返済手数料
特に繰り上げ返済の条件は、将来的に資金に余裕ができたときに重要になります。手数料が高額だったり、繰り上げ返済自体に制限があったりすると、柔軟な返済計画を立てにくくなります。契約前に必ず確認しておきましょう。
不動産投資ローンの金利に関するよくある質問
不動産投資ローンの金利相場はどのくらいですか?
不動産投資ローンの金利は、金融機関の種類によって大きく異なります。一般的な相場としては、メガバンクや地方銀行で年1.0〜2.5%程度、信用金庫やノンバンク系では年2.5〜4.5%程度が目安です。属性や物件の担保評価、借入額によって実際に適用される金利は変動します。住宅ローンと比べると、不動産投資ローンの金利は高めに設定される傾向があります。
変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきですか?
変動金利は当初の金利が低く設定されていますが、将来的に金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。一方、固定金利は金利が高めですが、返済額が一定で資金計画が立てやすいのが特徴です。短期間で売却を想定している場合や、金利上昇リスクを許容できる場合は変動金利、長期保有で安定したキャッシュフローを重視する場合は固定金利が向いています。ご自身の投資戦略やリスク許容度に合わせて選びましょう。
自己資金が少なくても低金利で借りられますか?
自己資金が少ない、いわゆるフルローンに近い借入では、金融機関のリスクが高まるため、金利が高くなったり審査が厳しくなったりする傾向があります。低金利を狙うなら、物件価格の1〜2割程度の自己資金を用意することが望ましいです。自己資金を入れることで返済負担率が下がり、金融機関からの信頼も得やすくなるため、結果的に有利な条件を引き出せる可能性が高まります。
途中で金利を下げてもらうことはできますか?
返済実績が良好で信用力が向上している場合、金利引き下げの交渉が成功するケースもあります。また、他の金融機関へ借り換えることで金利を下げられる場合もあります。ただし、借り換えには事務手数料や登記費用などのコストが発生するため、削減できる利息額とコストを比較して判断することが大切です。複数の金融機関に相談し、好条件を提示してもらうのが効果的です。
審査に通りやすくするにはどうすればよいですか?
審査に通りやすくするには、安定した収入と良好な信用情報を維持することが基本です。具体的には、他のローンやクレジットカードの延滞をなくし、既存の借入はできるだけ整理しておきましょう。また、収益性の高い物件を選び、自己資金を多めに用意することも有効です。確定申告書や源泉徴収票などの書類をきちんと準備し、自身の返済能力を明確に示すことで、審査通過の可能性が高まります。
金利0.5%の差が総返済額に与える影響をシミュレーション
金利差の影響は借入額と返済期間が大きいほど拡大します。元利均等返済で1億円を借りた場合の、金利別の毎月返済額と総返済額の目安は次のとおりです。
| 金利 | 毎月返済額(25年) | 総返済額(25年) | 総返済額(30年) |
|---|---|---|---|
| 1.5% | 約40.0万円 | 約1億1,990万円 | 約1億2,420万円 |
| 2.0% | 約42.4万円 | 約1億2,720万円 | 約1億3,300万円 |
| 2.5% | 約44.9万円 | 約1億3,460万円 | 約1億4,220万円 |
| 3.5% | 約50.1万円 | 約1億5,010万円 | 約1億6,160万円 |
25年返済の場合、金利1.5%と2.0%では総返済額におよそ700万円の差が生じます。同じ0.5%差でも返済期間を30年に延ばすと差額は約880万円に広がり、期間が長いほど金利の重みが増すことがわかります。
一方で、期間を延ばすと毎月返済額は下がるため、月々のキャッシュフローは改善します。総返済額を抑えたいのか、手元資金の余裕を優先したいのかで最適解は変わるため、両方の数字を並べて判断してください。上記は概算であり、実際の返済額は金融機関の計算方式や返済方法により異なります。
融資審査で見られる主要指標と目安ライン
金融機関が適用金利を決める際は、申込者の属性と物件の収益力を組み合わせて判断します。一般的に重視される指標と、有利な条件を引き出しやすいとされる目安は次のとおりです。
| 審査指標 | 内容 | 目安として有利とされる水準 |
|---|---|---|
| 自己資金比率 | 物件価格に対する頭金の割合 | 2割以上 |
| 返済比率 | 満室想定家賃に占める年間返済額の割合 | 50%以下 |
| 債務償還年数 | 借入残高 ÷ 年間の返済原資 | 10〜15年以内 |
| 金融資産 | 預貯金・有価証券などの手元資産 | 借入額の1〜2割程度 |
| 信用情報 | 他の借入状況・延滞履歴 | 直近5年に延滞なし |
このうち見落とされやすいのが債務償還年数です。物件単体ではなく、既存の借入も合算して判定されるため、2棟目以降は同じ属性でも金利が上がったり否決されたりするケースがあります。すでに借入がある場合は、繰上返済や一部売却で残債を圧縮してから申し込む方法も検討できます。
金利交渉・借り換えを検討するタイミング
融資は実行後も条件を見直せる余地があります。返済実績が積み上がり、物件の収益が安定してくると、同じ金融機関でも金利引き下げに応じてもらえる場合があります。
- 返済実績が2〜3年以上あり、延滞が一度もない
- 借入残高が1,000万円以上、残存期間が10年以上ある(借り換えコストを回収しやすい)
- 現在の適用金利と他行の提示金利に、目安として0.5%以上の開きがある
- 入居率が安定し、直近の確定申告で黒字を確保できている
- 物件の担保評価が、購入時から大きく下がっていない
借り換えには事務手数料(借入額の2.2%程度が一つの目安)、抵当権抹消・設定の登録免許税、司法書士報酬、印紙税などの諸費用がかかります。金利差による削減額が諸費用を上回るかを、必ず金額ベースで試算してください。また、当初期間固定金利型からの繰上返済や借り換えでは、契約内容によって違約金が発生する場合があるため、契約書の条項を事前に確認する必要があります。
まとめ
不動産投資ローンで低金利を実現するためには、金利の数字だけにとらわれず、総合的な視点で金融機関を選ぶことが重要です。本記事で解説したポイントを振り返ってみましょう。
- 金融機関ごとに金利や融資条件が大きく異なるため、必ず複数社を比較する- 自己資金を多めに用意し、属性や信用力を高めることで低金利を引き出せる- 収益性や担保評価の高い物件を選ぶと融資条件が有利になる- 融資期間・団信・諸費用・繰り上げ返済条件など、金利以外の要素も総合的に判断する
低金利のローンを組むことができれば、毎月のキャッシュフローが改善し、長期的な投資収益を大きく伸ばすことができます。一方で、金利の低さだけを優先して融資期間や保障内容を軽視すると、思わぬリスクを抱えることにもなりかねません。
大切なのは、ご自身の投資戦略やリスク許容度に合った条件を見極めることです。複数の金融機関を比較しながら、トータルコストとキャッシュフローの両面から最適なローンを選び、安定した不動産投資を実現しましょう。まずは気になる金融機関に相談し、実際にどのような条件が提示されるのかを確認することから始めてみてください。


