この記事の要点
- 2026年8月の首都圏中古マンションは1㎡あたり81.60万円で前年より3.8%下落。売り物件も6カ月続けて増えた
- 新築は2026年上半期に平均1億135万円と初の1億円超え。2025年の発売戸数は1973年以降最少の21,962戸
- 東京23区は70㎡換算で1億2,425万円。ワンルーム一棟の利回りは仙台・広島5.0%に対し東京城南3.6%
「この価格で買って、本当に大丈夫だろうか…」
「下がるまで待ったほうがいいのでは?」
首都圏の新築マンションは2026年上半期に平均1億135万円となり、戸あたりで初めて1億円を超えました。中古も高値圏が続くなかで売り出し中の物件は6カ月続けて増え、売り手と買い手の力関係が変わり始めています。
マンション1戸を買う判断は、数年前より重みを増しました。価格の高さだけで判断すると、買うべき物件まで見送りかねません。
見るべき数字は取引価格と1㎡あたりの単価、借入金利と利回りの差の3つです。ここを押さえれば、今の相場で動くか待つかを自分で決められます。
本記事では、2026年のマンション投資の価格相場を、東日本不動産流通機構や国土交通省の最新データで確かめました。高騰の要因とエリアごとの価格差を整理し、金利と利回りの差から買い時を見極める基準まで取り上げます。
相場の数字を自分で読めるようになれば、高値圏でも納得して1戸目を決められるでしょう。
2026年のマンション投資は価格相場がどこまで上がったのか

首都圏の中古マンション成約㎡単価は81.60万円で、1年前の水準を下回りました。
新築は平均1億135万円で、初めて1億円を超えました。
区分マンションの成約価格と㎡単価
東日本不動産流通機構の調査では、2026年8月の首都圏中古マンションの成約㎡単価は81.60万円でした。㎡単価は専有面積1㎡あたりの価格で、広さの違う物件を比べる物差しになります。
成約価格の平均は5,129万円で、前年同月比2.8%の下落でした。㎡単価も4カ月続けて下がっています。下げ幅は前年同月比で3.8%にとどまり、水準そのものは高いままです。
売り出し中の在庫は48,235件と、6カ月続けて増えました。
参照:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート2026年8月度」
新築と中古で広がった価格差
不動産経済研究所の調査では、2026年上半期の首都圏新築マンションの平均価格は1億135万円でした。戸あたりで初めて1億円を超え、㎡単価は151.4万円まで上がっています。中古の㎡単価81.60万円と比べると、新築は1.9倍の水準です。
新築と中古の直近の数字は次のとおりです。
| 区分 | 平均価格 | ㎡単価 |
| 新築(2026年上半期) | 1億135万円 | 151.4万円 |
| 中古(2026年8月) | 5,129万円 | 81.60万円 |
| 差 | 約5,006万円 | 約69.8万円 |
新築は家賃に対して価格が高く、家賃を価格で割った表面利回りは中古より低く出ます。年収700万円台で新築を選ぶと、返済の負担が重くなる可能性があります。
参照:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2026年上半期(1~6月)」
マンション価格の高騰が続く2つの要因

2026年も価格が高止まりする要因は、建物を作る費用と売り出される部屋数の少なさです。
新築の発売戸数は1973年以降でいちばん少ない水準です。
建築費と人件費の高止まり
建築費の上昇は資材だけでなく、人手の確保にかかる費用が大きく効いています。国土交通省が決める公共工事設計労務単価は、2026年3月適用分で前年度比4.5%増となりました。
全職種の加重平均は25,834円で、初めて25,000円を超えています。上昇は14年続いており、短期間で下がる見込みは薄い状況です。建設会社は上がった人件費を工事代金に乗せるため、分譲価格の下限が上がります。
区分1戸の販売価格も例外ではありません。
参照:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」
新築供給戸数の減少
新築の供給は減り続けています。不動産経済研究所によると、2025年の首都圏の新築分譲マンション発売戸数は21,962戸でした。前年より4.5%減り、1973年以降でいちばん少ない水準です。
分譲会社が供給を絞る背景には、次の3点があります。
- 土地:都心部の用地取得競争で仕入れ値が上昇
- 建築:資材と人件費の高止まりで採算が悪化
- 着工:分譲住宅の新設着工が前年割れで推移
売り出される戸数が減れば、買い手は中古へ回り、中古価格も支えられます。新築を待つより、中古から探す動きが強まりました。
買う側から見ると、新築の選択肢は年々狭まっています。
参照:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2025年のまとめ」
エリアで分かれる2026年のマンション投資価格相場

2026年のマンション投資は、価格の上がり方がエリアで大きく分かれています。
東京23区は1戸1億円を超え、地方都市はまだ5%台の利回りが取れる水準です。
東京23区に集中する上昇
東京23区の値上がりが全国の上昇を引っ張っています。不動産調査会社の東京カンテイによると、2026年3月の東京23区は70㎡換算で1億2,425万円です。
前年同月比は30.8%高く、23カ月続けて上がっています。首都圏平均は7,032万円で、23区との価格差は5,000万円を超えました。再開発が進む駅前に買い手が集まり、売り出し価格も下がりにくい状況です。
千代田区や港区を含む都心6区に限れば、2カ月連続の小幅な下げです。
参照:東京カンテイ「三大都市圏・主要都市別中古マンション70㎡価格月別推移(2026年3月)」
地方都市に残る利回りの高さ
価格の上昇は地方都市にも及んでいます。日本不動産研究所の調査では、ワンルーム向け賃貸住宅一棟に投資家が見込む利回りは、仙台と広島が5.0%でした。
主要都市の利回りは次のとおりです。
- 仙台・広島:5.0%
- 札幌:4.9%
- 福岡:4.5%
- 大阪:4.2%
東京の都心部との差は1ポイント以上です。価格が上がるほど利回りは下がり、同じ自己資金でも地方は手残りが厚くなります。入居者が減る地域もあり、駅からの距離と築年は都心より厳しく見ます。
自己資金が限られるなら、地方都市も有力な候補でしょう。
参照:日本不動産研究所「第54回不動産投資家調査(2026年4月現在)」
価格相場が高い2026年にマンション投資で判断する軸

2026年の高値局面では、価格の高さより金利と利回りの差で買うかを決めます。
判断の軸は、利回りと金利の差と、物件そのものの条件です。
金利と利回りのイールドギャップ
イールドギャップは、実質利回りから借入金利を引いた差を指します。
日本銀行は2026年6月、政策金利を1.0%程度へ引き上げました。借入2,000万円で金利が1.0%上がると、利息は年20万円ほど増える計算です。
東京・城南のワンルーム賃貸一棟の期待利回りは3.6%で、前期から0.1ポイント下がりました。差が1%台まで縮むと、空室1カ月で手残りが消えかねません。
金利の伸びが利回りを上回る局面では、自己資金を厚くする判断もあります。
参照:日本不動産研究所「第54回不動産投資家調査(2026年4月現在)を公表」
高値づかみを避ける物件条件
高値の局面では、価格の安さより物件の中身で選ぶほうが失敗しにくくなります。
確認したい条件は次の3つです。
- 立地:駅から徒歩10分以内で、賃貸需要が続くエリアか
- 築年数:長期修繕計画が25年以上で組まれ、積立額が計画に足りているか
- 出口:同じ建物の中古住戸が、実際に売買されているか
駅から遠い物件は、家賃を下げないと空室が埋まりません。築年が古いほど、大規模修繕の負担は重くなりがちです。
国土交通省の調査では、積立額が計画に対して不足するマンションが36.6%ありました。修繕積立金の値上げは、毎月の手残りを直接削ります。
買い手が見える物件なら、価格が下がっても損失を抑えやすくなるでしょう。
参照:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果(とりまとめ)」
マンション投資の価格相場に関するよくある質問
価格が下がるまで待つのは得策なのでしょうか?
区分マンションの利回りはどのくらいですか?
金利が上がると手残りはどれくらい減りますか?
まとめ|2026年の価格相場は数字で見極めて動く

2026年のマンション投資は、価格が高止まりしながらも首都圏の中古は前年割れに転じ、エリアごとの差が開きました。新築1億円台の都心と、利回り5%台が残る地方都市では、必要な資金も戦略も別物です。
検討しているエリアの成約㎡単価と、借入金利を引いたあとの利回りを書き出してみましょう。
数字を並べて比べる習慣がつけば、相場がどちらに動いても慌てずに1戸目を選べます。


